AKINORIの長い一日:BOUT-19

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ノースエリア格闘技イベント BOUT-19
2015年3月29日(日)札幌市・琴似コンカリーニョ

▼メインイベント:RISE第3代ライト級王座決定トーナメント一回戦
麻原将平(RISEライト級1位・正道会館)
AKINORI(RISING ROOKIIES CUP2014ライト級優勝・蹴空ジム)
※勝者:麻原 判定3-0

AKINORIの善戦が光った一戦だったが……

先日行われたBOUT-19のメイン、RISEの第3代ライト級王者決定トーナメント一回戦として組まれた一戦で、AKINORI選手は過去最大の強敵を迎えた。相手の麻原将平はランキング1位で優勝候補筆頭。1R終了時のインターバルで、AKINORI選手はご覧の表情だ。長い一日だったことだろう。

1R早々に麻原が2度のダウンを奪い、万事休すかと思われた。が、戦前の予想に反してAKINORIの善戦が光った一戦だったのではないか。もちろん麻原が2度のダウンを奪った後、すっかり気を抜いてしまったがために、反撃を許してしまった部分はある。

しかし2RにAKINORIが繰り出したハイキックすべてに、麻原が対応できていなかったのは事実であるし、3RはAKINORI優勢といってもいいラウンドだった。2度のダウンを奪いながら倒しきれなかった麻原。“名門”正道会館の性格からして、恥ずべき結果だったのではないか。

惜しむらくはAKINORIのモチベーションがMAXではなかったこと。実は今回の試合でAKINORIは2度のダウンを奪われたが、2度目のダウンは前蹴りを捌かれてバランスを崩したために起こった転倒だったのだ。

麻原にあってAKINORIにないものとは?

AKINORIが転倒した瞬間、すかさず「ダウンを取ったぞ」とばかりにガッツポーズを見せる麻原。レフェリーとジャッジに本物のダウンだとアピールすることに成功した。このあたりがランキング1位の狡さだろう。

対するAKINORIは、苦笑いでこれを受け入れてしまった。ここに今回の試合に対するモチベーション・精神的な弱さが表れていたと思う。個人的には「ダウンじゃない!」とレフェリーに食ってかかるくらいの姿勢を見たかった。

選手の試合はRISEの首脳陣も見ている。たとえダウンの裁定が覆らなくても、そういった姿勢を見せておけば、今回の黒星を帳消しにするようなチャンスを与えてくれるものなのだ。もともと風邪をこじらせて調子が悪かったうえに、ダウンを奪って気を抜いていた麻原。今後のAKINORIのキャリアを考えると、逃がした魚は大きかったのかも知れない。

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写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。