BOUT-19:バウトの貴公子・アキノリに試練の一戦

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ノースエリア格闘技イベント BOUT19
2015年3月29日(日)札幌市・琴似コンカリーニョ

 メインは、RISEのルーキーズカップを制し、ランキング入りを果たしたBOUTの貴公子・AKINORIがRISEのライト級王座決定トーナメントの一回戦を戦う。対するは、現ランキング1位で優勝候補筆頭の、麻原将平が立ちはだかった。オープニングファイトから場内が熱狂した、BOUTの第19回大会。

メインイベント:RISE第3代ライト級王座決定トーナメント一回戦
○麻原 将平(RISEライト級1位・正道会館)
×AKINORI(RISING ROOKIIES CUP2014ライト級優勝・蹴空ジム)
判定3-0

 現時点で最強の強敵を迎えたAKINORI。勢いがあるだけに、大物食い期待された一戦。
 1R、AKINORIはサウスポーからの左ミドルで前に出る。下がりながら観察する麻原。パンチをダッキングでひらりとかわす麻原に黄色い声援。中盤からボディへの飛び膝をまじえて前にでる麻原。AKINORIのパンチに、カウンターの右→返しの左フックでダウンを奪う。
 再開後、麻原の猛攻に屈せず、前に出るAKINORIだったが、前蹴りを捌かれ、バランスを崩し転倒。不運にもダウンと宣告されてしまう。なおもパンチで詰める麻原。若干大振り。
 2R、パンチと右ローで前に出るAKINORI。麻原はダッキングとスウェイでかわす余裕ぶり。試合を終わらせようとする気配はない。中盤、AKINORIの右ハイが何度か後頭部をかすめると、状況が微妙に変化。終盤には同じく右ハイでグラつくようなしぐさを見せる麻原。AKINORIが繰り出した右ハイのすべてに対応できなかった。
 3R、ポイントを挽回するべく暴れるAKINORIに対し、麻原は押さえ込めないどころか、ホールディングでイエローカードを喰らう。倒しきれず焦る麻原。パンチ大振り。セコンドからは「力みすぎ」の声。
 2Rの右ハイに続き、今度は左ハイもヒットさせるAKINORI。いい感じで首に巻きつく当たりが2回。AKINORI優勢といっていいラウンド。判定は28-27、28-27、29-27で麻原。

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セミファイナル:RISE公式戦52kg契約3分3ラウンド
○林 美久(バンゲリングベイ・スピリット※別海出身)
×谷村 郁江(J-GIRLSバンタム級3位・リアルディール)
判定3-0

 別海町出身・林の引退試合として組まれた一戦。林の応援団が会場を埋め尽くした。
 1R、パンチで前に出る谷村に、林は左右のミドルと右ストレートで応戦。スピーディーな展開。圧力は互角。谷村が圧力を強めると、林も押し返す。意地と意地のぶつかり合い。中盤、林のボディへの膝に、谷村はいやな顔。これを境に林の優勢が目立つ。
 2R、手数は互角だが、林の長身からの前蹴りに苦しむ谷村。クリーンヒットの数では林が上。ミドルに加えて、右ストレートからボディへの膝を的確にヒットさせる林。谷村はパンチ一辺倒。
 3R、序盤からパンチの打ち合いでヒートアップ。林はミドルと膝をくりだしている分、印象がいい。終盤にかけての打ち合いは、お互いにすさまじい回転数。終了のゴングと同時に抱き合う両者。驚異的なスタミナをみせた二人に惜しみない拍手が贈られた。

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RISE公式戦フェザー級3分3ラウンド
○出口 智也(忠和會)
×池田 進人(2014全日本空手道選手権大会軽量級3位・正道会館)
2R2′26TKO

 デビューから連勝街道を突っ走る出口が、名門・正道会館からの刺客を迎え撃つ一戦。計量時、得意の蹴り技で攻めると抱負を語った池田。出口のパンチか、池田の蹴りか?
 1R、両者、パンチとローで火花を散らす。池田は生きがよく、パンチもなかなか。出口をロープまで詰める場面も。池田の上段前蹴りに、大きく身体をのけぞらす出口。中盤、出口の右フックに嫌な顔をみせる池田。ショートの連打で打ち合うところはさすがだったが、出口の右を喰らいダウン。再開後、すぐにゴング。
 2R、池田はサウスポーにチェンジしての左ミドル。出口はなかなか詰めることができない。池田は後ろ回し蹴り、胴回し回転蹴りと、空手技の連続。中盤から出口が強引にでる。十八番の左右フック乱れ打ちからボディへのヒザ。続いての右ストレートで二度目のダウン奪取。池田は2メートルほど吹っ飛んでダウン。
 再開後も意識朦朧とする池田。10秒ほどの出口のラッシュで、ふたたびスタンディングダウン。再開後も同じ展開。レフェリーは即座にストップを宣言した。

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RISE公式戦69kg契約3分3ラウンド
○TETSURO(RISEミドル級10位・grabs)
×花沢 類(リアルディール)
KO3R 0′58

 TETSUROの移籍後第二戦。BOUT-ZERO 4で新生スタイルを披露したTETSURO。今回の相手は190cmの長身サウスポー選手、花沢。どうやって得意のパンチにつなげるか?
 1R、軽いフットワークから、ローキックを軸に攻めるTETSURO。花沢は前蹴りとカウンターのヒザを軸にミドル、ハイも繰り出す。特にロングの距離から飛び込んでのヒザは驚異。TETSUROはやりにくそう。
 2R、序盤にTETSUROの右がヒットし花沢がのけぞるが、試合は花沢の距離ですすむ。上段のヒザがTETSUROの顔面を捉える。顔を腫らすTETSURO。TETSURO劣勢だが、右ストレートのタイミングが合ってきた。
 3R、後がないTETSUROは序盤からパンチを振り回す。花沢はボディへのヒザ。TETSUROはこのヒザの蹴り終わりを狙って右フック一閃。ダウンした花沢は、ここはどこ?といった表情。立ち上がろうにも、足元がふらつく。それを見たレフェリーは試合をストップ。TETSUROはリング上で歓喜の雄叫び。

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RISE公式戦フェザー級3分3ラウンド
○関口 直正(パラエストラ札幌)
×西田 勇人(バンゲリングベイ)
判定3-0

 プロ昇格後、センスはありながら勝ち星には恵まれない関口。まずは一勝をあげたい。ビッグマウスの西田は、計量時から自信満々。有限実行なるか?
 1R、関口は計量時の暗い雰囲気がウソのように軽快な動き。ノーモーションのパンチにもキレがある。西田はパンチとローで詰めるが、関口はうまく身体を入れ替える。関口は右ストレートとミドルを軸に、ハイキックやアッパーなど、攻撃が多彩。西田はリーチ差に苦しみ、なかなか中に入れない。
 2R、サウスポーの西田は、奥足へのローキックで活路を見出そうとするが、関口の手数は減らない。新たにボディへのヒザを投入する関口。手数では互角だが、クリーンヒットの数では関口が上。
 3R、ますます波に乗る、関口。寄ればヒザとアッパー、離れてはミドルと流れるように手数が続く。西田は鼻血。返り血を浴びながら前に出る関口には鬼気迫るものがある。西田は自分が出した手数の倍の数が返ってくるので、うんざりした表情。ゴングが鳴るまで攻め続けた関口を、パラ札代表・俵谷氏がやさしく抱擁。待ちに待った、関口のプロ初勝利に歓喜するパラ札陣営。

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他の試合結果は以下の通り。

RISEセレクションマッチバンタム級2分3ラウンド
○小山田 拓也(蹴空ジム)
×千葉 豊満(パラエストラ八戸)
判定3-0

RISEセレクションマッチライト級2分3ラウンド
×竹波 佑(grabs)
○中井 奏(士道館札幌道場)
KO3R 0′35

写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。