道内勢、2月はジュニアで王座獲り。凄ノ王も出陣

先月の「RISE-115」につづき、道内アマチュア勢が首都圏大会に殴り込みをかける。

まずは2月12日(日)東京・大森ゴールドジム。国内屈指の規模を誇るジュニアリーグ「EXPLOSION」だ。

この第8回大会で行われるU15クラス-28Kg級のタイトルマッチに佐藤勇波(同級1位・GRABS)、同じく-34kg級の王座決定トーナメントに大井裕登(同級1位・GRABS)がエントリーしている。

-28Kg級の佐藤は、絶対王者・藤井 昴との一騎打ちが予定されていたが、直前になって藤井が怪我のためタイトルを返上。急転直下、同級2位の大塚莉々(鍛錬会)との王座決定戦となった。

藤井と佐藤は、昨年5月に行われた王座決定戦で一度対戦しており、藤井が佐藤を下して初代チャンピオンに就いている背景がある。雪辱に燃えていた佐藤だけに、藤井を下してのタイトル獲得が理想だったに違いない。

しかし、今回の相手・大塚とは過去に対戦経験があり、佐藤が勝利している。タイトル獲得の可能性はがぜん高まったといえるだろう。

写真:WBC世界戦で。左から二人目が佐藤、4人目が大井。

一方、-34kg級の王座決定トーナメントに出場の大井裕登は、現在ランキング1位で優勝候補の筆頭だ。

この大井の対抗馬となるのが、松本吏亜夢(同級2位・ZERO)、小林亜維二(同級3位・新興ムエタイジム)、坂本 嵐(同級4位・キング)といった上位ランカー陣。

これらのジムはジュニアの強豪を育てることに特化しており、ランク1位の大井といえども油断はならない。

「二人とも減量も順調で調子はいい。パンチの打ちかたを改良して、蹴りのコンビネーションにも幅をもたせた。試合経験は十分積んできてるから、落ち着いた試合運びをテーマに戦いたい。他ジムの生徒さんも、どんどん強くなってるから、過去の戦績は関係ない。油断せずにいきます」

と語るのはGRABSのTOMONORI会長だ。

今回の王座獲りに成功すれば、GRABSの門下生としてはプロアマ通じて初のタイトル獲得となる。吉報を待とう。

”凄ノ王”は新空手で雪辱誓う

つづいて2月の26日(日)東京武道館。「第28回新空手全日本グランプリ・関東予選」に一信会館の”凄ノ王”小島大輝がエントリーしている。

首都圏のメジャー大会に特化して、長期に渡り好成績を叩き出している一信会館。その一信会館の隠し玉として、昨年の道内中量級を席捲したのが”凄ノ王”の異名をもつ小島大輝だ。

昨年7月のチャレンジカラテトーナメント中量級優勝を皮切りに、KANARIMON札幌大会では二大看板だった松井虹兵(GRABS)、大澤辰徳(蹴空ジム)を連続撃破し、一気に道内中量級の本命に躍り出た。

写真:昨年のチャレンジカラテトーナメントで。中央が小島

しかし昨年の同・関東予選では屈辱の初戦敗退を喫しているという。

「言い訳するつもりは毛頭ありませんが、ちょっと鼻血をだしたら止められちゃって。同門の2人は勝ち進んだのに、僕だけ負けて・・・。悔しいです」

今回は雪辱を誓って並々ならぬ執念を燃やしているというわけだ。

「首都圏の選手は動きが早くてテクニシャンタイプが多い。新空手には新空手の勝ち方がある。そういった対策も館長と一緒に研究しています。とにかく予選は通過して当たり前。照準はあくまでグランプリ本戦です。」

ボクシングの試合でリングシューズを履かずにリングインするなど、天然な一面も持ち合わせる小島だが、大会の特徴や対戦相手によって戦略を変えるクレバーさも持ち合わせている。豪胆&クレバーなところが小島の魅力だ。

グランプリ本戦では、過去3年で表彰台を独占している中島将志(新潟誠道館)や、JAPAN CUPの-70kg級覇者・城大眞(成道会)などの名前を挙げ、大物食いを狙っていることも告白。将来的にはK-1の舞台でプロ昇格を目指すという。

はたして”凄ノ王”が覚醒する年となるか?

写真提供:GRABS、一信会館
photo & text:山田タカユキ

いまの仕事、このまま続けていていいんだろうか・・・・?

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。