7月8日 BOUT-32全カード決定 | バンタム級トーナメント一回戦で山川賢誠と出口智也が激突!

7月8日に開催される道内最大の格闘技イベント「BOUT-32」の全対戦カードが出揃った。今回は4試合のみと試合数は少ないながら、その4試合だけで満員札止め確実という強力な布陣だ。

なかでも注目は、神童・那須川天心が返上したRISEバンタム級の日本王座を賭けて行われる王座決定トーナメント。その一回戦として行われる山川賢誠と出口智也が激突する一戦だ。

メジャー団体の王座決定トーナメントに、道内選手が2名もエントリーするというのは前代未聞。10年間にわたりコツコツと選手を育て、道内で観客を動員できる地盤を作ってきたBOUTの努力と理念が実を結んだといえるだろう。以下に注目の全対戦カードを紹介する。

天心のベルトを賭け、両者ついに激突

▲ランキング4位の山川賢誠(左)と6位の出口智也がついに激突

RISE公式戦バンタム級3分3ラウンドEXR1R
・山川賢誠(同級3位/キックボクシングアカデミー札幌)
・出口智也(同級5位/忠和會)

2015年に行われた軽量級道内最強を決定する賞金トーナメント「カリア Presents Northen Supernova」をご記憶だろうか。畑中健太の出現によって大きく筋書きが変わってしまったこのトーナメント、本来は次期エースの呼び声が高かった二人、つまり山川と出口が決勝で雌雄を決するという筋書きだった。

しかし山川は準決勝で敗退、道内最強の称号は出口の手に渡る。山川には「もし戦わば・・・」という想いがあったに違いないが、世間の評価は出口が上で山川が下となってしまった。一方の出口も道内最強の称号を手にしたものの、「山川と戦えば結果はわからない」と影で囁かれる十字架を背負うこととなる。

そんな背景もあり、この一戦には特別な関心をよせるファンは多い。下馬評では最近の活躍ぶりからくる勢い、それからファイトスタイルの相性からいっても、若干山川有利といったところだ。しかし、ここ一番で見事にコケる山川と、大一番は絶対に落とさない出口である。こちらも過去の戦績が証明しているだけに現実味のある見方ではある。

「山川と出口が戦ったら、どちらが強いのか?」

道内ファンの間で最も興味深い疑問に答えを出してくれるお宝カード。ひさびさに手に汗握る戦いを堪能しよう。

拓也にしのび寄る魔物の影

▲上位ランカーに連勝中の拓也(左)。格下との対戦は要注意だ

▼RISE公式戦バンタム級3分3ラウンドEXR1R
・拓也(同級8位/蹴空ジム)
・樺島峻太(リアルディール)

BOUT-29での鈴木戦、RISE-WESTでの小崎戦を経て、着実にランキング順位を上げている拓也に別の意味で試練の一戦だ。対戦相手は樺島峻太(リアルディール)。キャリアはそこそこあるものの、ランキングには一度も入っていない格下の相手だ。

しかし、そこに魔物が潜んでいるのである。格上選手との連戦を重ね、あるときポッと格下の選手と対戦する。普通に考えれば負けるわけはないのだが、妙に気の抜けた試合をしてしまい、足元をすくわれてしまう中堅選手は多い。

これまでの拓也の戦いは、キックボクサーとしての゙技量゙を試されるものだったが、今回はキックボクサーとしての゙運゙を試される戦い、リングに棲む魔物との戦いといえるかもしれない。

また、道内勢とリアルディールとの対戦は幾度となくあるが、対戦成績は圧倒的に道内勢の勝利だ(リアルディールは2勝だけ)。ましてや直近の試合では拓也が敵地・福岡に乗り込み、次期エースの小崎貴誠を撃破している。名門・リアルディールがこのまま黙っているとは思えない。

これだけ団体が乱立している昨今、ランキング8位などというのはノーランカーと同じだ。なにもなかった頃の自分に戻って褌を締めなおさなければ、リングの魔物に喰われてしまう可能性は大きい。

麻理奈が関西からの刺客を迎撃

▲アマチュアエリートの中川梨香(左)が、熊谷を喰うか?

▼BOUTルール・フェザー級3分3ラウンド
・熊谷麻理奈(J-GIRLSフェザー級3位/WSR札幌)
・中川梨香(大成会館)

ムエタイ転向後、2ヶ月おきに試合というハードスケジュールを消化してきた熊谷。5月12日にはMMA団体「ROAD FC」にも参戦し、休む間もなく今回のオファーを快諾した。熊谷のタフネスぶりには恐れ入る。

対戦相手の中川梨香は、空手道大成会館所属。新空手K3女子優勝、関西アマトップリーグ・TOP-RUN 55kg優勝、K-1アマ女子60kg優勝など華々しい戦績をもつアマチュア・エリートだ。

プロ転向後は2戦1勝1敗で、直近の試合はホーストカップで溝口孝湖(WATANABE-GYM)からダウンを2度奪い勝利している。パンチ主体の好戦ファイターだけに、ボクサー上がりの熊谷とは迫力の打撃戦が期待できそうだ。

中川の怖いところは負けて失うものは何もなく、勝てば大儲けといった立場からくる勢いだ。反面、グローブ空手出身の中川は、もしかするとムエタイ・スタイルへの適応はいまひとつかも知れない。

ましてや熊谷は、ムエタイに加えてボクサー時代に培ったパンチ技術を織り交ぜる「麻理奈スタイル」が特徴だ。中川がチャンネル合わせに苦心している間に、しっかりとリズムを分断しておけるかが鍵だろう。

中川はこの先、日本女子キックボクシング界を代表する選手に成長する可能性が高い。この機会に下しておけば、後々の熊谷の評価にもプラスに働くはずだ。熊谷は若武者の勢いに呑まれず、ムエタイの洗礼を浴びせることができるか?

AKINORI、吉田敢を相手にKO復帰なるか?

▲再起に賭けるAKINORI(右)。彼らしいKO勝利に期待したい

▼RISE公式戦スーパーライト級3分3ラウンドEXR1R
・AKINORI(ライト級7位/蹴空ジム)
・吉田敢(BRING IT ONパラエストラAKK)

前回のBOUT-31では衝撃の1ラウンドKO敗を喫したAKINORIだが、敗戦後すぐに再起を決意。今回の参戦も本人の強い要望があり実現した。現在は通常のジムワークに加えて、ロードワークも精力的にこなしているという。

今回の対戦相手、吉田敢は恵庭出身。2016年に札幌で行われたBOUT-20で獅・センチャイジムと戦い判定勝利を挙げている。直近では黒星が続いているが、森本 “狂犬” 義久も所属するBRING IT ONパラエストラAKKに所属を変え、心機一転、再浮上を賭けて乗り込んでくる。

吉田のファイトスタイルはAKINORIと同じくパンチとローキックを主体としており、特にカウンターの右ストレートには一発KOの力を秘めているのが特徴だ。お互いに強打者だけに、打ち合いとなれば早いラウンドでの決着も十分にありえるだろう。

どちらも道内出身選手だが、当サイトとしてはやはりAKINORIに復活の狼煙をあげてほしい。瞬き厳禁の好カードだ。

ノースエリア格闘技イベントBOUT-32開催概要

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▼日時:
2018年7月8日(日)
17時開場
17時30分試合開始

▼主催:
BOUT実行委員会
TEL:011-562-3291
URL:http://bout.jp/

▼会場:
コンカリーニョ
北海道札幌市西区八軒1条西1丁目1-2
(JP琴似駅直結※駐車場無し)

▼チケット料金:
SRS席 7000円 A席 5000円
※ 当日1000円UP

▼チケット販売所:
チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード838-655
セブンイレブン・サンクス店頭
各出場選手所属ジム

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。