室蘭の武闘派軍団を率いる総大将がベールを脱ぐ! | 棚田道場・棚田直樹さん

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インタビュー第9回は、室蘭の総合格闘家・棚田直樹さんが登場。アグレッシブなファイトスタイルで道内格闘技界を席捲する「棚田軍団」の首領。そのおどろきの過去とは?

バックボーンは柔道&空手

闘志あふれる戦いぶりで一躍その名が知れ渡った棚田道場ですが、具体的な活動内容については知らない読者も多いと思いますので、その辺から教えていただけますでしょうか。

大会に出始めたのは最近なんですが、活動を開始したのは2年ほど前からなんです。室蘭市東町の上田病院ビル1階で週に3回(火・木・土曜日)7時から練習を行っています。

サンドバックやミット類も揃っていて理想的ですね。入会金や月会費などは?

どちらも頂いていません。参加は無料です。この道場も上田病院の上田院長先生のご好意で無料でお借りてますから、コストはかからないんですよ。

試合志向の選手のみを募集されてるんですか?

そんなことはありません。フィットネスや護身術感覚で通ってくれる会員さんも多いです。年齢も幅広いですから、もっともっと色々な方々に集まってほしいですね。

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旗揚げ以前はどちらで練習されてたんですか?

室蘭に総合格闘技の道場がありませんでしたから、仲間で集まって柔道や空手をミックスして練習してました。そんなときに上田院長先生の方から「場所を提供するからやってみないか」っていうお話をいただいて現在の活動になったわけです。

棚田選手のバックボーンは柔道と空手ですか?

そうです。中学で柔道を始めて大会なんかも出てました。空手は高校に入ってからかな。

高校の空手部ですと伝統空手ですね?

いえ、実戦空手を習いたかったんでそういった空手部がある高校を探しましたね。室蘭では唯一、室蘭工業高校だけが実戦空手道部を持っていましたから、それが目的で入学しました。先生は芦原空手や極真空手を経験された方でしたよ。

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デビュー戦はSWA制圏道

総合格闘技の試合経験はいつ頃から?

24歳のときに当時所属していた道場に「試合に出たいです」とお願いしたら、佐山サトル先生が興されたSWAの苫小牧大会に出場できるように手配してくれたんです。そのSWAが僕のリングデビューでした。

懐かしいですね。あの興行に出場されてたとは知りませんでした。DREAMの世界チャンプの高谷裕之選手もあの興行に出てましたよね?

高谷選手もあの時がデビュー戦だったんですよ。高谷選手が3試合目で僕が4試合目。同じ日に同じリングでデビュー戦でしたからよく憶えています。

ということは天下の高谷選手より格上の扱いだったんですね(笑)。

当時はそんな感じでしたね(笑)。高谷選手がまだ格闘結社田中塾にいた頃の話です。

結局、その試合は勝ったんですか?

引き分けでした。東京のキックボクサーだったかな。随分と身体の大きな選手でしたよ。グローブも大きなやつを着けて。当時はオープンフィンガーグローブじゃなかったんです。UFCもまだ草創期っていう時代でしたから。

当時、所属していた道場の名前は?

名前は伏せますけど空手の道場でしたよ。試合よりもリアルな実戦に通用する技術を追求する道場で、かなりエグい練習ばかりやっていましたね。あの練習に比べたら試合なんて遊びみたいな感覚でしたから(笑)。

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なんとなく分ります(笑)。

それにグレイシー柔術が日本に招聘されて間もない頃、すぐに反応してましたからね。「あいつらスゲェ」って言ってハワイまで皆で教わりに行ったりしてましたよ。

ハワイまでわざわざビザを取って行ったと。

僕は仕事で行けなかったんですけど、他の連中は皆で行ってましたね。確かグレイシー兄弟の一人がハワイにいたんですよ。

当時は「打倒グレイシー」っていうのはありましたけど、「グレイシーに教えを請う」という意識は日本人にはなかった時代ですから、かなり進んだ道場だったと思います。

俗に言う「黒船来襲」の時代ですよね。確かにあの時代にグレイシーに入門を志すというのは柔軟な考えですね。

その後は怪我なんかで試合からは遠ざかっていたんですが、頭の中は何でもありで戦ったらどうなるかってことだけ。最近出場している大会は打撃の大会ばかりなんですけど、やっぱり得意なのは総合ですよ。

今度、パンクラスのアマチュア大会が札幌で開催されるそうなんで出てみようかと思っています。(※2012年10月28日に開催済み。棚田選手は見事勝利し、関係者の評価も上々だった)

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まずは自分が戦って見せること

試合に出場するお弟子さんにはどういった戦いを求めますか?

まずは試合を楽しんでほしい。あとはアグレッシブさです。駆け引きなんかは上手くなってからでいいんです。現状は僕らが胸を借りる立場ですから負けるのを恐れずガンガンいってほしい。

それって棚田選手が地でいってますよね。

口で言うだけで自分はやらないっていうのが僕の場合ダメなんですよ。まずは自分が戦ってみせるのが僕のスタンスです。相手が強かろうがデカかろうが向かっていく姿勢を生徒に示したいですね。

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最近戦った中で印象に残っている選手は?

蹴空ジムの谷川選手なんて過酷な状況に身を置いてるんじゃないですか。倒しに行く姿勢っていうか、遊び半分でやってないっていう殺伐さがありました。練習を見たわけじゃないけど、そういうのは戦えばわかりますから。

これからの入門を考えている方に一言お願いします。

うちは安全第一でやっています。もちろんスポーツ保険にも加入して頂きますけど、それは怪我をした後にお金が出るという話であって、一番の保険は怪我を未然に防ぐ練習カリキュラムですから。

選手志望よりもむしろ楽しんで格闘技をやってみたいという方にたくさん集まってほしいですね。直接見学にお越しいただいても構いませんし、生徒さんがやってるブログにご連絡いただいても構いませんよ。

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【棚田直樹 プロフィール】1978年9月20日、室蘭市出身。2001年、SWA制圏道の苫小牧大会でプロデビュー。2010年に総合格闘技道場「棚田道場」を旗揚げし、空手・キックボクシング等の各種大会に参戦。退くことを知らないアグレッシブなファイトで注目を集める。2013年より、パンクラス札幌大会を主戦場として活躍。

ジム・道場データ

Photo & Text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。