grabsのジュニアクラスが熱い。俳優のジャン=クロード・ヴァン・ダム氏がアンバサダーに就任したことでも話題のWBCムエタイ。その全国大会への出場権をかけて、grabsのジュニア戦士がメジャー団体・NJKFのアマチュア大会「EXPLOSION」に殴り込みをかける。出場するのは、佐藤勇波選手(15歳以下-28Kg級・全日本ランク4位)と、大井裕登選手(15歳以下-34Kg級・全日本ランク4位)の2名。
この「EXPLOSION」のトーナメントに優勝すれば、チャンピオンベルトとともに、WBCムエタイ・ジュニアリーグ全国大会への参加資格が与えられる。WBCムエタイとはご存知、国際式ボクシングの統括組織・世界ボクシング評議会(WBC)のムエタイ部門。そんじょそこらのタイトルとは格が違うというわけだ。今回は佐藤・大井の両選手と、現WBCムエタイ日本統一王者でもあるgrabsのTOMONORI会長に試合にむけての意気込みを聞いた。
――選手お二人にお聞きします。今現在で何戦くらいのキャリアですか?
佐藤勇波選手(以下、勇波):20戦くらいです。正確には憶えてませんが、勝ち越してるとおもいます。
大井裕登選手(以下、裕登):僕は11戦です。勝ったのは半分くらいです。
TOMONORI会長(以下、会長):二人とも同じ年齢で、入門した時期も近いんですよ。一緒に東京遠征も経験してるし、まぁ、ライバルといってもいいでしょうね。
――でも会長、こういったおとなしそうな選手が、リングに上がるとガラリと変わりますよね。
会長:そうそう。まぁ、本人を目の前にして言うのもなんだけど、入門当初は泣きべそかきながらやってたんですよ。今ではこれだけ強くなったんですから、ほんと嬉しいですよね。
――こんどの試合はトーナメント形式だと聞いていますが、いわゆるワンデイ・トーナメントになるわけですか?
会長:そうです。ランキング上位の選手だけを集めてのものだから、8人制くらいのトーナメントになるのかな。
――ワンデイだと、1日に何試合かこなさないといけませんが、お二人は経験ありますか?
勇波:僕はありません。
裕登:僕は1日に2試合までなら経験したことがあります。
会長:裕登はこのあいだも東京の大会に出て、2試合こなしたんです。一勝一敗でしたが、内容は安定してたんで大丈夫ですよ。
写真:佐藤勇波選手(EXPLOSION15歳以下-28Kg級・全日本ランク4位)
――今日の練習は結構ハードでしたね。苦しいと感じるときってどんなとき?
裕登:スパーリングです。軽めのスパーリングでも連続でつづくとしんどいです。
勇波:僕は首相撲です。背の高い選手とやると苦戦してしまうので。
――得意技を教えてください。
勇波:右のストレートです。
裕登:右のミドルです。
――会長、両選手ともに言葉少な目ですが、いつもこうなんですか?
会長:いやいや、緊張してるんでしょう。いつもはこんなもんじゃないですよ、なぁ、おまえら(笑)。
――それじゃあ、いままでで一番の強敵だとおもった選手は?
裕登:カミナリモン札幌大会で5年生の選手と戦ったんですが、そのときが一番辛かったです。
会長:あぁ、あの蹴空ジムさんの男の子だ。あの子は強かったよな。
写真:大井裕登選手(EXPLOSION15歳以下-34Kg級・全日本ランク4位)
勇波:僕は3年生の時に出たカミナリモン札幌大会です。ALIVE倶知安さんの方でしたけど、彼は強かったです。
――裕登選手のお父さんは、練習中でもリング下から激を飛ばしていましたね。お父さんは厳しい?
裕登:普段はやさしいです。試合で弱気になると厳しくなります。
会長:裕登のお父さんには、東京でも選手のセコンドについていただくんですよ。
――勇波選手はどうですか。お父さん厳しいですか?
勇波:・・・・・・・
会長:「やさしいです」だろ?(一同笑)
(※勇波選手は会長の息子さんです)
――カミナリモン札幌大会は、道内では一番の規模をほこるアマチュア大会です。先の3月大会では、grabsのジュニア勢は全勝負けなしでした。
会長:本当は東京の首相撲ありの試合に出る予定だったんですけど、風邪で出れなかった選手なんですよ。どうしても試合がしたいということで、今回はカミナリモンに出しました。
――会長のスタンスとしては、やはり首相撲重視ですか?
会長:そうですね。首相撲ありでやっとけば、身体が強くなるから。中学に進学した選手は、もうすこし鍛えてからタイに遠征させる構想もあるんですよ。でも、今年はいろいろな試合にでてみたいっていう声が多いから、カミナリモンのCクラスにもどんどん出していきたいですね。
――5月のEXPLOSIONでは、どんなテーマをもって戦いますか?
勇波:前蹴りをうまく使っていきたいのと、右のパンチでKOを狙うことです。
裕登:僕はコーナーへの詰め方を工夫していきたいです。うまく詰めれたらKOまでもっていきたいです。
――最後に選手お二人の今後の目標を聞きたいと思います。
勇波:たくさん経験を積んで、WBCのベルトを獲りたいです。
裕登:僕もWBCのベルトがほしいです。そのための練習ですから。
――5月のEXPLOSIONは通過点ということですね。会長、WBC獲得はジムの方針でもあるわけですか?
会長:うちはWBC一本ですね。やっぱり「WBC」って響きがいいでしょう?キックボクシング知らない人でもWBCは知ってますから。そのベルトをジュニアのうちから獲って、大人になってプロになったら日本チャンピオンのベルトを獲って、次は世界タイトルを狙うと。
それに、いまいるジュニアのメンバーは、grabs立ち上げからの一期生なんですよ。grabsの歴史とともに成長してきたメンバーですから、僕としても思い入れが強いんです。だから、国内外でいろいろな経験をさせてあげたい。そして選手として、人間として成長してくれれば嬉しいですね。
――では吉報をお待ちしております。本日はありがとうございました。
会長・勇波・裕登:ありがとうございました。
photo & text:山田タカユキ
山田 タカユキ
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