「好きなことをやろう!」格闘技の楽しみ方、教えます。 | HLC・和田憲太さん

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インタビュー第3回は北海道ラベンダー倶楽部(HLC)の和田憲太さん。活動が10年をこえた老舗サークルの人気の秘密とは?地域格闘技イベントの先駆け「STYLE」誕生秘話など、話題満載です。

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「自分の好きなことをやろう!」

今日は格闘技に馴染みのない読者向けに、今一度、倶楽部の活動についてご説明いただけますでしょうか。

ラベンダー倶楽部(以下、HLC)は、1999年にプロ修斗の竹内コウジさんが横浜で立ち上げたのが始まりです。

格闘技だけじゃなく、人生の様々な場面を一緒に楽しもう!というのが倶楽部の趣旨で、僕たちは総合コミュニティサークルと呼んでいます。

練習では、打撃・投げ技・関節技の全てを含んだ「総合格闘技」というものをやってまして、定期的に大会出場や食事会を企画して親睦を深めていますね。

会費などはかかるのでしょうか?

会費は一切かかりません。体育館の使用料のみ負担してもらえば、どなたでも参加OKです。

「自分の好きなことをやりましょう」というのが基本スタンスなので、各々マイペースで練習しています。

月1回だけの人もいますし、打撃の練習だけして帰る人、もっと言えば、仲間と話だけして帰る人もいますんで。なにかを強制するといったことがないんですね。

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HLCといえば10年以上続いている老舗サークルなわけですが、強制のない自由な雰囲気というのが長続きの秘訣でしょうか?

あれはできない、これはできない、逆にこれは強制、あれは強制じゃ、続かないと思うんですよね。うちも最初は基本的なグラップリングを何本かやってもらうんですけど、あとは自由ですから。

うちは基本的に入り口だと思ってるんです。うちで格闘技をかじって、もっと強くなりたい、上手くなりたいというのであれば、よりプロフェッショナルなジムを紹介しているんで。案内所ってわけじゃないですけど、「まずは経験してみる」ってとても大事だと思うんです。

今日、皆さんでやっていたモンゴル相撲(床に背中をつけると負けになる)という練習ですが、あれはおもしろそうですね。

ふふふ。最近、総合格闘技の技術も洗練されてきて、不用意に下になると(床に背中をつけると)上から簡単に殴られますからね。常に有利なポジションをキープしようといった練習なんですよ。

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柔道から総合格闘技の世界へ

和田さんの格闘技との出会いもHLCですか?

いえ、僕はもともと柔道出身なんです。
親父が機動隊にいて、柔道六段の猛者だったもんですから、親父についてやってみようかなって。

それで中学・高校・専門学校とずっと柔道一色。でも全然芽が出なくってね(笑)
中学時代は札幌大会の決勝で負けたし、高校時代は全道のベスト16に入れなかったですから。まったく弱かったです・・・。まぁ、今でも弱いんですけどね(笑)

飾らない方ですね、和田さんは(笑)。そういった人柄も倶楽部に人が集まる一因だと思います。その後、総合格闘技と出会ったわけですね。

総合の世界で、柔道をベースにどこまでやれるのかっていうのは自分なりに模索してはいたんです。そういった意味では、柔道出身の小川直也には影響を受けましたね。

「柔道選手は総合の舞台でもこれだけ戦えるんだ」っていう、良い意味でのカルチャーショックを受けました。

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柔道から転向した総合格闘技ですが、どういった点に魅力を感じていますか?

技の制約が少ないということですね。
それから、柔道の場合、一般の社会人が勤めながら練習を続けるというのが厳しいスポーツなんです。社会人になったら実業団レベルしかなくなるので。

その点、総合格闘技は活動の場がオープンだし、すぐに始められるんです。道着を買う必要もないし、Tシャツと短パンがあればOKですから。

礼儀作法も日本の武道よりもうるさくないんですよ。スパーリングのときに握手するくらいなもんで(笑)。

HLCの活動場所、中島体育センター格技室には、様々なジャンルの格闘技選手が集います。中にはプロ選手やアマチュアでも全日本トップクラスの選手が訪れているわけですが、和田さんはそのほとんどの選手とスパーリングで手合わせされてますよね。その積極性がすごいなって思うんですが、恐怖心といったものはないのでしょうか?

殺される訳でもないですし(笑)。
いろいろな方とスパーさせていただくことで交流の輪が広がる事の方が大切だと思います。

僕が有名な選手の人とスパーした後、遠慮していた仲間も挑戦しに行く事が多いですね(笑)。

スパーリングは最高のコミュニケーションの道具だと思います。

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STYLEは節目の10回大会

メリットのほうが多いと。

他流の方とのスパーについてはデメリットを考える方が難しいと思います。今は情報が氾濫している時代ですから、自分だけの技術なんて無いと思うんですよ。

要はどの技術を選択しているかってことであって隠すことは全くないと思います。
もし自分の技術を相手の方が知らなければ教えますし、教えていただけることは貪欲に吸収させてもらいたいと思っています。

HLCが定期的に開催しているイベント「STYLE」も今回で10回目を数えます。

STYLEもプロフェッショナルな意味合いではなく、「格闘技の試合を経験してみよう」という趣旨で始まったイベントなんです。

開催当初は「異種格闘技戦」という概念がまだありましたからね(笑)。総合の技術が確立されてない時代の話です。

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「異種格闘技戦」ですか。いまや死語ですね(笑)。

ホントに(笑)。当時は柔道vs日本拳法みたいな対決がリアルにありましたから。U系の盛り上がりをみせてましたよね。他には、柔道家vsグラップラーの5対5対決とか。

昔のUSA大山空手vs正道空手5対5対決に心躍らせた世代には受けそうですね(笑)。ところで今回は賞金トーナメントもあると聞きましたが?

応援してくれるスポンサーさんのお陰で、武道奨励金というかたちで出すことになってます。Ustreamでも生中継しますんで、皆さんにご覧いただけると嬉しいです。

和田さんも出場されると聞いていますが、もし賞金獲得ということになれば、倶楽部のメンバーと美味しいお酒が呑めそうですね(笑)。

ダメダメ。賞金が入ったらカメラを買うって決めてるんですから(笑)

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【和田憲太プロフィール】1979年、札幌市出身。学生時代は一貫して柔道選手として活躍。MMA転向後は、HLC札幌支部代表として後進の育成に尽力。教え子が各種大会で好成績を残すことから、その指導力には定評がある。格闘技関係者との親交が深く、自身が運営に携わる格闘技イベント「STYLE」は回を追うごとに規模を増している。趣味はカメラとお酒。

ジム・道場データ

  • ジム名称:TEAM URESPA(チームウレシパ)
  • 所在地:北海道札幌市中央区中島公園1-5 中島体育センター格技室
  • 連絡先:zeere333@gmail.com
  • WEBサイト:https://sapporomma.jimdo.com/

Photo & Text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。