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インタビュー第4回はノース・ブルーザーズ・ファイティング・クラブ(NBFC)の熊谷麻理奈さん。圧倒的勝率を誇る、道内女子ボクシング界のホープが競技への熱い想いを語ります。
ボクシングは芸術です
女子ボクシングといえば、「しずちゃん現象」もあって、人気が爆発しているスポーツなわけですが、熊谷さんはボクシングのどのような点に魅力を感じていらっしゃいますか?
最初は汚いっていうか、野蛮なイメージがあったんですけど、実際にやってみると、洗練された技術体系をもったスポーツだってことがわかったんです。二本の腕しか使えないですけど、他の格闘技以上に攻撃や戦略のバリエーションがあって・・・。もう「芸術」ですよね。
もともと格闘技が好きだった?
私、ジャッキー・チェンが好きだったんですよ(笑)。
ジャッキー・チェンといえば、あの「酔拳」や「笑拳」の?
はい。幼稚園の頃からTVで観てジャッキーに憧れてて・・・。
ジャッキー・チェンに憧れて、なぜかボクシングを始めてしまったと(笑)
あははっ。そう言われると困っちゃうんですけど。なぜかボクシングだったんですよ(笑)
聞くところによると「練習の虫」なんだとか?
私、365日ほとんどボクシングの人なんで。日曜日も練習してますしね。
ジムは大切な癒しの場
息抜きなんかはどうしてるんですか?
息抜き?そおですねぇ・・・。ほとんどしないですね(笑)。
まぁ、お風呂が好きなんで、お風呂行ったりとか。あとは、ジムの人達とバカ話しているときが息抜きになってるのかな。
うちのジムは派閥もないし、アットホームなのが売りですから。そんなひと時があるから結果的にモチベーションを維持できてるのかもしれない。
だから、私にとっては大事な癒しの場。そういう環境があることに感謝しています。
練習生どうしの絆が固いと。
そうなんですよ!
あと、子供たちのミットを持ってあげてるときとか。教えてあげてるんだけど、逆にこっちが癒されてるっていうか、リフレッシュさせてもらってる部分って大きいかも。
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子供たちの指導には慣れましたか?
「明るく楽しく」をモットーに、暗い雰囲気の指導にならないように気をつけてはいるんですけどね・・・、っていうか、言うこと聞かないからアッタマきます(笑)。
NBFCは子供会員も多いですから大変ですね。
でも、普段チャラチャラしてた子が、試合で負けて帰って来ると真剣な顔で教わりに来るようになるんですよ。そうなると、やっぱり可愛いですからね。こっちも気を引き締めて教えないと。
熊谷選手は身長といい、リーチといい、非常に恵まれたスタイルなんですが、ライト級で戦うとなると、やはり減量は厳しいですか?
私、食べるの大好きなんですよっ!(笑)だから減量は超過酷です!1~2ヶ月で10kgは落としますからね。なんでボクシングなんか始めたんだろうって自問自答したりして。
ご両親は反対しませんでしたか?
最初はいい顔してませんでしたけど。でも私の場合、最初から選手志望だったし、オリンピック出場が目標になってからは応援してくれてますね。両親にはすっごく感謝しています。
照準は全国大会に
先日の試合の相手はデビュー戦でレフェリーストップ負けを喫した因縁の相手だったとか。
岩崎選手ですよね。彼女を倒すためにこの2年半ずーっとがんばって来たんです。そうしたら、この間の試合で引退しちゃうって聞いて、「今しかない」って感じで全部ぶつけました。
結果は負けちゃったんですけど、相手が1点リードかドローかっていう判定だったんで、自信にはなりました。
2年半というのはすごい執念ですね。そのモチベーションを保つために努力されていることはありますか?
とりあえず、現時点での目標は全国大会優勝なので、それに関して乗り越えないといけないハードルを紙に書いて壁に貼ったりとか(笑)
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(笑)ライバル視してる選手はいますか?
道内にはいないですね。ほとんどの選手に勝ってますから。さっきの岩崎選手も引退しちゃうわけだし・・・。照準は来年の全国大会に合わせています。
では、デビュー戦以外で最もプレッシャーのあった試合は?
公式戦じゃ思い当たりませんね。しいて言えば、K&Kボクシングクラブの金沢社長とスパーリング大会で当たったときですかね、緊張したのは。金沢社長は3階級制覇の名選手でしたから・・・。
金沢社長といえば、あのお酒好きの(笑)。
そうそう(笑)。金沢社長とは、奥さんともども仲良くさせてもらってます。
松尾会長:麻理奈は強いよぉ。男性ファイターでも油断するとボコられちゃうんだから。
ボコるだなんてそんな・・・。鼻血だすくらいですよ(笑)
そういうのを「ボコる」というんですよ(笑)
【熊谷麻理奈 プロフィール】1987年生、札幌出身。漫画「はじめの一歩」で興味を持ちボクシングの世界へ。変則的なアッパーを武器に圧倒的勝率で、ライト級戦線を席捲している、道内女子ボクシング界のホープ。現在、NBFCの松尾会長とともに全国制覇を目指すかたわら、NBFC取締役兼トレーナーとして多忙な日々を送っている。
Photo & Text:山田タカユキ
山田 タカユキ
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