BOUT-34 前日計量レポート:アンダーカード編

いよいよ明日に迫ったBOUT-34。目玉はなんといっても、札幌出身で日本が世界に誇るキックボクシング8冠王・TOMONORIのラストマッチだ。

その対戦相手は英国の5冠王・シルバ。両者は3年前に同じく札幌で対戦し、シルバがノックアウトで勝利しているという因縁がある。

TOMONORIが雪辱し、有終の美を飾るのか?はたまたシウバの返り討ちか?ファン必見の大一番だ。今回は試合に先だって行われた前日計量の模様をお届けしよう。

まずはメインの大一番を盛り上げるに相応しいアンダーカードからお届けする。

第6試合

▼RISE公式戦バンタム級3分3R EX1R
・拓也
(蹴空ジム / RISEバンタム級9位)
・村山智耶
(HAYATO GYM / RISEバンタム級11位)

表情に凄みが増してきた拓也(写真左)は一発クリア。その絞られた肉体をみれば、調整具合は一目瞭然だった。日本ランカーともなれば、格下相手にハイレベルな試合内容を求められる試合が続く。旨みのある試合にありつくまで、どうにか頑張ってほしいところ。

対する村山は一回目で100g強のオーバー。二回目も若干のオーバーと苦しい状態に。最後は「逆立ちをすれば不思議とクリアできる」という都市伝説を実行したところ、見事にクリア。場内が笑いに包まれた。

第5試合

▼BOUTムエタイルールフェザー級3分3R
・浅井春香
(KickBox / J-GIRLSフェザー級2位)
・熊谷麻理奈
(WSR札幌 / J-GIRLSフェザー級3位)

先に到着したのは浅井(写真右)。早々に予備計量を済ませると師匠の鴇稔之氏と談笑。屈託のない笑顔に調整具合の良さと自信が漲っていた。石井宏樹(元ラジャダムナン・スタジアムスーパーライト級王者)や小野寺力(元新日本キックボクシング協会フェザー級王者)らを育てた鴇氏がどのような秘策を授けているのか?

対する熊谷も表情には威厳が漂い、立派な戦士の表情。過去最高に絞られたパキパキのボディを披露した。計量会場では両者が隣同士に席を陣取っていたため、目に見えない火花がバチバチに。近寄りがたい雰囲気であった。

第4試合

▼BOUTキックルール・スーパーライト級3分3R
・AKINORI
(蹴空ジム / RISEライト級8位)
・凌太
(OGUNI GYM / NJKFライト級6位)

BOUT-31の川島戦での敗戦で、事実上、ランキング上位への道は絶たれたといってもいいAKINORI(写真右)。以降は無駄なプレッシャーが無くなったためか、逆にのびのびと試合を行っている印象だ。

今回も新しいヘアスタイルと褐色の肉体を披露し、試合が楽しみでしょうがないといった雰囲気。以前のAKINORIよりも今のAKINORIのほうが力を発揮しているように思う。

一方、文科系キャラゆえに計量会場では目立たなかった凌太。淡々と計量をクリアし、会場をあとにした。OGUNI GYM所属だけに、不甲斐ない試合をするとは思えない。増してや兄弟子・TOMONORIの引退試合の舞台ともなればである。明日のキレ具合に期待しよう。

第3試合

▼RISE公式戦ライト級3分3ラウンド
・北濱精鋭
(TARGET SHIBUYA/極真空手世界大会優勝)
・福井達郎
(BattleNation)

相変わらずの肉体美を披露した北濱精鋭。対戦相手の福井が当日到着の当日計量という契約であったため、単独での撮影。

北濱自身、なにか吹っ切れたものがあったのか、終始、にこやかムード。明日はなにかをやってくれそうだ。北濱らしい試合で締めくくってほしい。

第2試合

▼BOUTキックルール58kg契約3分3R
・原島”モルモット”佑治
(TESSAI GYM / J-NETWORKフェザー級9位)
・末永愛士
(蹴空ジム)

謙虚すぎる男・原島”モルモット”佑治。その入場曲はザ・ナックの「マイ・シャローナ」だ。毎試合、彼の入場シーンが楽しみだと語るオールド・ファンは多い。今回はビックイベントゆえに音響設備も申し分ない。存分に入場シーンを堪能していただきたい。

その原島、計量は一発クリアだったが、対戦相手の末永が遅刻したため一人での撮影となった。可愛らしいリングネームではあるが、「強打封じの原島」の異名をもつテクニシャン。天才児・末永の”天才パンチ”をどのように封じるのか?そこが最大のみどころだ。

第1試合

▼RISE公式戦フェザー級3分3R
・大澤辰徳
(蹴空ジム)
・甲斐康介
(HAYATO GYM)

秒殺王・大澤に試練の一番。アマチュア時代より圧倒的なブル・パワーでKOの山を築いてきた大澤(写真左)。だが、これまではキックボクサーもどきとの対戦が多く、正直、倒して当たり前の相手であった。

しかし今回の相手・甲斐康介は、ちゃんとした教育をうけた洗練されたキックボクサーだ。大澤の真の技量が試されるといっても過言ではないだろう。甲斐は過去にも来札しており、BOUT-31では北田裕二(GRABS)を相手に1Rノックアウト勝利を飾っている。

当サイトとしては、大澤に北田の仇をとってもらいたいというのが正直なところ。甲斐の所属するHAYATO GYMは応援団の大声援が特徴のジム。蹴空ジムの応援団も負けじと声援を飛ばしてほしい。

番外編

こちらは寝坊をして遅刻してしまった末永愛士。リミットは一発でクリア。計量に遅刻するというのは、道徳的には許されないことだろうが、格闘家にはそういった「アホさ」も必要だ。

そのアホさが大舞台でも物怖じしない末永を形成しているともいえる。計量担当者に怒鳴られてはいたが、そこは気にせずノビノビとやってほしい。

HAYATO GYM勢は要注意。おすすめは拓也vs村山、熊谷vs浅井

以上、アンダーカードの前日計量の模様をお伝えした。本当は各選手のコメントを頂戴したかったが、各々、近寄りがたい殺気を放っており、話しかけることができなかった。

特にHAYATO GYM勢は他の選手と距離を置き、一切シャットアウトといった態で、この試合にかける思いが伝わってきた。今回に限らず毎試合そうなのだろうが、こういった試合に対する向き合い方といおうか、戦いに臨む人間の振る舞いというものが、道内勢とは違うなと感じた。

他に印象に残ったのは熊谷麻理奈。この2年間、「試合やりすぎだろ」と言いたくなるくらい、コンスタントに場数を踏んでいる。戦士としての神経が研ぎ澄まされているのが、その表情から見て取れるのである。今回は身体の絞り方にも工夫がみられるため、なにかやってくれそうな雰囲気だ。

HAYATO GYM勢がからむ拓也vs村山、大澤vs甲斐。それから熊谷vs浅井。この試合はまばたき厳禁の好カードとしてお奨めしておきたい。

ノースエリア格闘技イベントBOUT-34開催概要

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▼日時:
2018年10月28日(日)
14時開場
14時30分オープニングファイト開始
15時本戦開始

▼主催:
BOUT実行委員会
TEL:011-562-3291
URL:http://bout.jp/

▼会場:
ホテルエミシア3F パレスホール
(地下鉄新さっぽろ駅9番出口より徒歩1分/JR新札幌駅徒歩3分)

▼チケット料金:
VIP席30000円 SRS席12000円
RS席8000円 A席6000円
※ 当日1000円UP

▼チケット販売所:
・チケットぴあ 0570-02-9999
・セブンイレブン・サンクス店頭
 Pコード840-128
・ローソンチケット
0570-084-001 Lコード11939
・各出場選手所属ジム

決定済み対戦カード

▼ISKAオリエンタルルールフライ級3分5ラウンド
・TOMONORI
(OGUNI GYM / 札幌在住)
・ポール・ダ・シルバ
(イギリス / クリーリーマーシャルアーツアカデミー)

▼スペシャルエキシビジョン2分2ラウンド
・梅野源治
(PHOENIX / ラジャダムナンスタジアムライト級チャンピオン)
・山川賢誠
(KAS / RISEバンタム級4位)

▼RISE公式戦バンタム級3分3ラウンドEX1R
・拓也
(蹴空ジム / RISEバンタム級9位)
・村山智耶
(HAYATO GYM / RISEバンタム級11位)

▼BOUTムエタイルールフェザー級3分3ラウンド
・浅井春香
(KickBox / J-GIRLSフェザー級2位)
・熊谷麻理奈
(WSR札幌 / J-GIRLSフェザー級3位)

▼BOUTキックルール・スーパーライト級3分3R
・AKINORI
(蹴空ジム / RISEライト級8位)
・凌太
(OGUNI GYM / NJKFライト級6位)

▼RISE公式戦ライト級3分3R
・北濱精鋭
(TARGET SHIBUYA)
・福井達郎
(BattleNation)

▼BOUTキックルール58kg契約3分3R
・原島”モルモット”佑治
(TESSAI GYM / J-NETWORKフェザー級9位)
・末永愛士
(蹴空ジム)

▼RISE公式戦フェザー級3分3R
・大澤辰徳
(蹴空ジム)
・甲斐康介
(HAYATO GYM)

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。