BOUT-34ダイジェスト:TOMONORI最終章は、1ラウンドKO決着!

ノースエリア格闘技イベント BOUT-34
2018年10月28日(日)札幌市・ホテルエミシア

記録的大雨に見舞われた札幌で行われた、ノースエリア格闘技イベントBOUT-34。

キックボクシング8冠王・TOMONORIの引退試合として注目を集めたメインイベントは、英国の6冠王・シルバが右ストレートと左フックでそれぞれダウンを奪い、1Rラウンド2分46秒でTKO勝利を飾った。

セミファイナルでは、日本ムエタイ界の至宝・梅野源氏がBOUT初登場。RISEバンタム級4位の山川賢誠に対し、激辛な横綱相撲を展開。実力の差を見せつけた。

その他、BOUTきっての精鋭たちが本州勢を迎え撃った好勝負をはじめ、那須川天心のサプライズ・オークションなど、話題性満載だった今大会をダイジェストで振り返る。

メインイベント

▼ISKAオリエンタルルールフライ級3分5R
・TOMONORI
(OGUNI GYM / 札幌在住)
・ポール・ダ・シルバ
(イギリス / クリーリーマーシャルアーツアカデミー)
※勝者:シルバ TKO 1R 2’46

静かな立ち上がりを見せた両者、お互いにジャブとローキックで探り合う。前回の対決同様、シルバはTOMONORIに蹴らせたくない様子。接近のタイミングを測るシルバ。

開始1分弱、ロープを背負ったTOMONORIに対し、一気に距離を詰めたシルバは右ストレート一閃。腰から崩れるTOMONORI。上半身がロープの外に出てしまう、衝撃のダウン。

意識が飛んだようにゆっくりと立ち上がるTOMONORIを見て、シウバは決めにかかる。逃げずに真っ向勝負のTOMONORIは、カウンターの左フックと飛び膝蹴りで応戦。当たりは浅いがシウバは警戒した様子。

終盤の打ち合いでロープを背負わせ、やや優位に立ったTOMONORI。そのままコーナーに追い詰め、飛び膝蹴り。紙一重でかわしたシウバは、カウンターの左フックをジャストミート。

頭から叩きつけられるように落下するTOMONORI。懸命に立ち上がるが、レフェリーがストップした。

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セミファイナル

▼スペシャルエキシビジョン2分2ラウンド
・梅野源治
(PHOENIX / ラジャダムナンスタジアムライト級チャンピオン)
・山川賢誠
(KAS / RISEバンタム級4位)
※エキシビジョンの為勝敗は無し

梅野の渾身の右ミドルで火蓋を切ったこの試合は、限りなくガチンコに近いエキシビジョンだった。梅野が攻めに攻めた。パンチでもキックでも、そして首相撲でも、山川に出番を与えなかった。

組みの展開になるとイヤイヤをするように背を向ける山川。ブン投げられても、なかなか立ち上がろうとしない。そんな山川に、梅野はノーガードで挑発。

奇声をあげてパンチを叩き込む山川。梅野はそのまま顔で受ける余裕を見せ、ニヤリと一笑。なおもターミネーターのごとく近寄る梅野に、山川は顔面蒼白。あっという間の2R。

梅野の強さが際立った一戦。山川には悪夢のような2Rだった。

第6試合

▼RISE公式戦バンタム級3分3R EX1R
・拓也
(蹴空ジム / RISEバンタム級9位)
・村山智耶
(HAYATO GYM / RISEバンタム級11位)
※勝者:拓也 KO 1R 2’35

ファーストコンタクトで身体能力の違いが歴然だった。軽いパンチの差し合いで、大きく吹っ飛ぶ村山。予想外の圧力に驚きの表情だ。

スピードでも見せた拓也。早いジャブに追いつこうと必死の村山は、足元への注意が散漫に。その前脚へ拓也の右ローが突き刺さる。

今回の拓也は出入りも多く、攻撃の幅が多彩。そのままロープへ詰めると、パンチの連打からの飛び膝蹴りで一気に勝負を決めた。

拓也限界説をくつがえし、ニュー拓也を印象付けた一戦。

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第5試合

▼BOUTムエタイルールフェザー級3分3R
・浅井春香
(KickBox / J-GIRLSフェザー級2位)
・熊谷麻理奈
(WSR札幌 / J-GIRLSフェザー級3位)
引き分け 判定0-0

1Rはクリーンヒットの熊谷と、手数の浅井といった展開。熊谷の長い手足から繰り出される攻撃は、手数は少ないもののダイナミックで迫力満点。序盤に熊谷の右ストレートがヒットし、大きく身体を仰け反らせる浅井。

対する浅井はマーシャル・アーツ風のキックを多用。手数と出入りで攻める。熊谷の単発なリズムに慣れてくると、逆にストレート系を中心としたパンチをヒットする場面も。

2R中盤から両者ともにキレを欠き膠着戦へ。これぞムエタイルールといえる組み際の攻防を見たかったが、両者ともに技術不足のためかダンゴ状態に突入。これが試合終了まで続いた。

それでもコンスタントに膝蹴りを繰り出し、展開をつくる姿勢が見られたのは浅井。終盤に試合をコントロールしていたのは浅井だろう。判定は三者ともにドロー。

ムエタイルールというと組み際の攻防に注目が集まるため、かえって技術レベルの低さが露呈してしまう。個人的には通常のキックルールで事足りたのではないかと思った。

第4試合

▼BOUTキックルール・スーパーライト級3分3R
・AKINORI
(蹴空ジム / RISEライト級8位)
・凌太
(OGUNI GYM / NJKFライト級6位)
※勝者:AKINORI 判定3-0

BOUTキックルールで行われたRISE対NJKFの現役ランカー対決。1Rからパンチ、キック、ヒザと多彩に手数を出しリズムを作る凌太。対するAKINORIは伝家の宝刀・ローキックを中心に攻める。

2Rに入ると組みヒザの比重を多くする凌太。それを嫌がったのか、AKINORIは凌太の蹴り足を何度もホールディング。レフェリーが割って入るため、その都度、凌太の攻撃の流れは中断された。

「攻撃を伴わないホールディング」はBOUTルールで反則として明記されているので、これが試合終了まで黙認されるのはいかがなものかと思ったが、それだけBOUTルールが認知されていないということだろう。

ホールディングがなければ、凌太が試合をコントロールしていた可能性もあっただけに、後味の悪いランカー対決となった。

第3試合

▼RISE公式戦ライト級3分3ラウンド
・北濱精鋭
(TARGET SHIBUYA/極真空手世界大会優勝)
・福井達郎
(BattleNation)
※勝者:北濱 判定3-0

パンチ、キック、飛び技、回転技と、北濱らしさが存分に発揮された好試合だった。1R早々からパンチで切り込む福井に対して、落ち着いてローとミドルを合わせていった。

特に空手仕込みのミドルは強烈。2、3発入れたところで、福井の圧力は半減。福井の目から光が消えていった。キックボクサーらしい技術も随所で見せた。福井のパンチをサイドステップでスリップすると、すぐさま右のストレート。

しかも、そのあとの攻撃が2~3発までつづく。これは従来の北濱にはなかった動きだろう。終盤にパンチでダウンを奪うと、あとは北濱の独壇場だった。

バックキック、胴回し回転蹴り。北濱の一挙手一投足に沸く北濱応援団。場内は北濱ワールドと化した。ここにきて目覚しい進化をみせた北濱。次戦が楽しみになってきた。

第2試合

▼BOUTキックルール58kg契約3分3R
・原島”モルモット”佑治
(TESSAI GYM / J-NETWORKフェザー級9位)
・末永愛士
(蹴空ジム)
※勝者:末永 KO 1R 1’44

BOUT-29でのプロ初黒星から約1年。蹴空ジムの天才児・末永愛士が札幌のリングに帰ってきた。東京での計量3kgオーバー、今回の計量遅刻などなど、リング外での奇行が目立つ男だが、リング上ではきっちりと仕事をしてみせた。

今回の相手はJ-NETWORKフェザー級9位の原島。末永にとってはキャリア初のランカーということになる。末永にはブランクもあるだけに苦戦するのではと心配したが、杞憂におわった。

1R早々に右ストレートでダウンを奪うと、立て続けに2度のダウンを奪い、原島陣営がタオル投入。あいかわらず、対戦相手の倒れ方が尋常ではない。恐ろしいほどの殺傷力を見せつけた末永。この逸材、なんとかモノになってほしい。

オープニングファイト・第1試合

▼RISE公式戦フェザー級3分3R
・大澤辰徳
(蹴空ジム)
・甲斐康介
(HAYATO GYM)
※勝者:大澤 判定2-0

蹴空ジムの秒殺王・大澤がエミシア初登場。1Rから自慢のハードパンチで前に出る大澤。2、3発クリーンヒットし、甲斐がグラつく。大澤のラッシングパワーに驚いた様子。

2R、甲斐陣営はキックでの攻撃を指示。甲斐は右ミドルを多用するが、スピードが乗る前に距離を潰されてしまう。ラウンド終盤でやっと自分の距離でミドルをヒットさせる甲斐。盛り返しが期待されたところでゴング。

3R、お互いに距離感が合っておらず、やってるほうも観てるほうも疲れてしまう、クリーンヒットなき乱打戦へと移行。結局、全体的に押している印象の大澤に凱歌が上がった。

大澤は連続KO記録の更新ならず。ある程度、技術で魅せる戦い方も用意しておくべきだろう。

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山田 タカユキ

山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。愛読書はさいとうたかおの「鬼平犯科帳」。
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