パンクラス札幌大会
2015年12月6日(日)札幌市・琴似コンカリーニョ
カナダからの逆輸入ファイターが秒殺KO!
今年2回目となるパンクラス札幌大会は12月6日琴似コンカリーニョで行なわれ、メインイベントでは赤沢幸典(Tristar Gym)がチェ・カンジュ(韓国/MMA STORY)を右ストレート一発で1R33秒KOで沈め、幸先いいスタートを切った。
赤沢はUFCのレジェンドでカナダの英雄でもあるジョルジュ・サンピエールが所属するTristar Gymで3年間も修行した石狩市出身の23歳。一方のチェはMMAで4戦3勝1敗、キックで10戦のキャリアを持つという触れ込みだったが、何も持ち味を出すことなく赤沢の一撃に沈んだ。
試合後、リング上でヒーローインタビューを求められると、赤沢はお母さんが来てくれてと号泣。気を取り直して「北海道から世界へ繋がれるように頑張りたい」と結んだ。
控室で、涙の理由を求めると、赤沢は「ずっと負け続けていたので、初めてお母さんの前で勝てた姿を見せられたことがうれしかった」と照れ笑いを浮かべた。
現在は東京と札幌を行ったり来たりしながらトレーニング中。リングサイドでは時折赤沢のミットを持つというWSRのウィラサクックレック・ウォンパサー会長の姿もあった。「いつかはムエタイもやってみたい」
身長は183?だが、2メートルもあるリーチを活かしたパンチはウェルター級の上位を脅かす大きな武器になるだろう。来年1月からはカナダに戻り、再びジョルジュ・サンピエールのもとで練習に励むという。この日第1試合で大西浩人(パラエストラ札幌)に1R25秒チョークスリーパーで快勝した同門の藤野敦史とともに来年のデカゴンを彩ってくれそうだ。
また、セミファイナルでは余市出資の新居卓(マッハ道場)が念願の地元デビュー。葛西達(ブレイブハート)を相手に1Rから試合を優勢に進め、最後は2R2分59秒アームロックで会心の一本勝ちを飾った。
東京のCOREでMMAのイロハを学び、現在は地元釧路に戻って現役生活を続ける早坂優瑠(CORE QUEST KUSHIRO)は黒石大資(スカーフィスト)と激突。1R終盤にバックを奪うや、じっくりと攻め込み、2分47秒チョークスリーパーで一本勝ちを収めた。
地元室蘭でMMAを復興させようと日夜奮闘している棚田直樹(棚田道場)は2-1のスピリット・デシジョンで藤田成保(T-Pleasure)に辛勝した。3R終了直前に見舞った蹴り上げで相手をグラつかせたことが勝利のキーポイントとなったか。
全5試合中、4試合がKO、あるいは一本で決着がついた今年2回目の札幌大会。選手や関係者のポテンシャルの高さは必ずや2016年の札幌大会に結びつくことだろう。
スポーツライター:布施鋼治
▼メインイベント
パンクラス公式戦ウェルター級3分3ラウンド
○赤沢幸典(TRISTAR GYM)
×チェ・カンジュ(MMA STORY)
1R 0:33、KO
▼第三試合
パンクラス公式戦ストロー級3分3ラウンド
○早坂優瑠(CORE QUEST KUSIRO)
×黒石大資(スカーフィスト)
2R 2:47、チョークスリーパー
▼第二試合
パンクラス公式戦ライトフライ級3分3ラウンド
○棚田直樹(棚田道場)
×藤田成保(T-Pleasure)
3R 3:00、判定/2-1
▼第一試合
パンクラス公式戦フライ級3分3ラウンド
×大西浩人(パラエストラ札幌)
○藤野敦史(Tristar Gym)
1R 0:25、チョークスリーパー
▼パンクラスゲート・フェザー級3分2ラウンド
松浦孝弥(棚田道場)
後藤丈治(HERMANO)
※規定により勝敗はなし
▼パンクラスゲート・スーパーフライ級3分2ラウンド
竹内直矢(函館Bellatleo)
孫崎達也(パラエストラ札幌)
※規定により勝敗はなし
写真提供:パンクラス札幌大会事務局
text:布施鋼治
photo:長尾 迪
山田 タカユキ
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