時の流れは速いもので今年度最初のプロ格闘技興行、3月4日開催の「BOUT-31」まで残すところ一ヶ月半を切った。
今大会のメイン・イベントでは、昨年のパッカシット戦で健在ぶりを印象付けたBOUTの貴公子・AKINORIが、熱望していた上位ランカーとの戦いに挑む。
昨年は実力がありながら、ランキングに結びつかない試合が多かった印象のAKINORI。この一戦に勝利し、さらなる上位ランカーとの対戦に繋げたいところだ。
その他、伝説の空手家・北濱精悦がJAPAN CUP覇者と激突するRISE公式戦、蹴空ジムの秒殺王・大澤辰徳のプロ初戦、MMA界からの刺客・竹内直矢の来襲等々、注目の全対戦カードをお届けする。
AKINORIが満を持して上位ランカーに挑む
▼RISE公式戦ライト級3分3ラウンドEXR1R
・川島史也(同級6位/BattieNation)
・AKINORI(同級8位/蹴空ジム)
BOUT-28でのパッカシット戦勝利でふたたび存在感を増したBOUTの貴公子・AKINORIが、熱望していた上位ランカーとの対戦に挑む。
AKINORIの対戦相手・川島史也は、RISEライト級6位にランクインしており10戦6勝4敗というレコードをもつ。KO勝ちも多いがKO負けも多いというアグレッシブ・ファイターだ。直近の試合は昨年10月にディファ有明で行われたRISE-120。同級2位の北井智大(チームドラゴン)と対戦し、ダウンを奪われた末に敗れている。
AKINORIは川島のように足幅が広く、アップライトに構えないタイプとの対戦は得意としている。これまでもボディブローとローキックの”フルコース”で何人もの突貫ファイターを料理してきた。構図としては8位のAKINORIが6位の川島に挑むといった形だが、実力の面でも勢いの面でもAKINORIが上をいっていると見る。
むしろ問題はその勝ち方だろう。KOであっても判定であっても完封する内容でなければならない。そうでなければ5位以上のランカーと戦う資格はないと判断される恐れがあるからだ。評価を下されるといった意味では正念場ともいえる一戦。AKINORIには是が非でもこのチャンスをものにしてもらいたい。
▲パッカシット戦を経て、タフな貴公子に生まれ変わったAKINORI(左)
覚醒の年とするか?北濱精悦
▼RISE公式戦ライト級3分3ラウンド
・北濱精悦(TARGET SHIBUYA)
・KENTA(HAYATO GYM)
極真連合会世界王者の肩書きをひっさげて2010年のBOUT-6で初参戦した北濱精悦。当時は空手家としての参戦だったが、その後、東京に拠点を移し2017年のBOUT-26でキックボクサーとして生まれ変わった。
現在までの戦績は1勝1敗1引き分けと平凡な戦績。しかも1ラウンドKO勝ちと1ラウンドKO負けを含んでおり、キックボクサーとしての技量を計ることはできない。
もちろん観客はこのほうが喜ぶに決まっている。しかし、キックボクサー・北濱精悦の評価を確かなものにするには、キックボクサーとしての技術を披露したうえでの判定、もしくはKO勝ちが必要だろう。
その意味では今回の対戦相手・KENTAは適任者といえる。KENTAは各種アマチュア大会で表彰台の常連になったあと、アマチュア競技会の最高峰JAPAN CUPを制している逸材。
JAPAN CUPとは新空手、RISE、シュートボクシング、正道会館、ホーストカップ等々のメジャー団体から選抜された選手が、統一ルールにより優劣を競うトーナメント。このトーナメントを制した者は次代を担う有望株として認識されるわけだ。
そのKENTAを相手に北濱がどのような戦略・技術を披露するのかが、最大のみどころだ。勝ち負けはさておき、”進化”したキックボクサー・北濱精悦を堪能したい。
▲プロとしての評価を下される時期にきた北濱精悦(左)。正念場だ。
MMAからの刺客・竹内直矢が蹴空ジムの秒殺王と激突
BOUTキックルール フェザー級3分3ラウンド
・竹内直矢(ベラトレオ函館)
・大澤辰徳(蹴空ジム)
パンクラス札幌大会を主戦場とするMMAファイター・竹内直矢(ベラトレオ函館)がBOUTに殴り込みをかける。対するはアマチュアの世界では「秒殺王」の名で恐れられた大澤辰徳(蹴空ジム)。
予想としてはホームの土俵で戦える大澤が有利と見るが、大澤は今回がデビュー戦だ。プロでの場数なら竹内に一日の長がある。竹内がMMAで培われた強靭な体幹力をもって、大澤の前進を阻んだ場合に展開がどう変わるかが見どころだろう。
殺人的なラッシュが代名詞の大澤ゆえ、接近戦を得意とする印象があるが、そこは疑問が残るところだ。なぜなら、2016年の”凄ノ王”小島大輝戦では、圧力負けせずに前進してきた小島のショートパンチに手を焼いたからだ。
相手が後退すれば強いが、前進してこられると、意外に引き出しの少ないタイプなのかもしれない。竹内の体幹力がキックボクシングの戦い方に関連付けられているかどうかが焦点となりそうだ。
▲”秒殺王”大澤(左)がプロのリングへ。外敵駆除の大役を果たすか?
Grabsから新たなプロ戦士。テクニシャン・甲斐を攻略するか?
RISE公式戦58㎏契約3分3ラウンド
・甲斐康介(HAYATO GYM)
・北田裕二(Grabs)
昨年末に所属選手のTETSUROが、NJKFウェルター級のタイトルを獲得し勢いに乗るGrabs。そのGrabsが新たにプロ戦士を送り込む。その名を北田裕二。
転勤族である北田は、その土地土地でアマチュア大会に参戦してきた経歴をもつ。特に名古屋を中心としたレベルの高いアマ大会で場数を踏んでいるのが特徴だ。
2016年末にはKAMINARIMON札幌大会で蹴空ジムの天才児・末永愛士と対戦。独特のコンビネーションで末永を追い詰め1Rを取ったものの、2Rに逆襲に遭い逆転負けとなった。
しかし1Rといえども、あの末永から奪取するのは至難の業だ。しかも、末永にはめずらしく感情をむきだしにして猛追したことから、北田は「非凡なセンスの持ち主」として筆者の脳裏に焼きついていた。
その北田がついにプロライセンスを取得しBOUTのリングに挑む。師である世界チャンプ・TOMONORIからも「とにかく真面目な男。黙々と練習に励んでいる」と信頼が厚い。北田については別途、インタビュー記事を用意するのでご期待いただきたい。
さて、北田の対戦相手・甲斐康介(HAYATO GYM)だが、こちらもなかなかの好選手だ。2015年当時の映像を見たかぎりでは”打たせずに打つ”を体現する可能性を秘めている。
あれから3年。消化した試合数は少ないまでも、ジムの指導員として活躍する甲斐が当時より腕を落としているとは考えにくい。その技術には磨きがかかっているとみて挑むべきだろう。
北田が得意のコンビネーションでペースを握るか、甲斐のインサイドワークが勝るのか。フレッシュマン同士の好カードだ。
▲Grabsの北田裕二(左)。プロ初戦だが、豊富なアマ戦績を誇る
オープニングは佐藤勇波が那須川龍心を迎撃。リベンジなるか?
BOUTジュニアキックルール
1分30秒2ラウンド
・那須川龍心
(TEAM TEPPEN/EXPLOSION・1位)
・佐藤勇波
(Grabs/EXPLOSION・6位)
オープニングでは佐藤勇波(Grabs)が、神童・那須川天心の実弟である那須川龍心(TEAM TEPPEN)を迎え撃つジュニア決戦も予定されている。
佐藤は昨年、NJKFが主催するジュニアリーグ・EXPLOSIONの-28kg級で全日本王座を獲得。その後、-34kg級に階級を変更して現在は6位にランクされている。そして同級1位にランクされているのが、今回の対戦相手・那須川龍心というわけだ。
両者は過去に一度対戦しており、名須川が判定で勝利している。今回の試合もエキシビジョンではなくガチ勝負。両者ともに十分な実績があるため、大人顔負けのデッドヒートが予想される。乞うご期待だ。
▲練習中の佐藤勇波(左)。那須川を下せば二階級制覇も見えてくる
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ノースエリア格闘技イベントBOUT-31開催概要
▼日時:
2018年3月4日(日)
17時開場
17時30分試合開始
▼主催:
BOUT実行委員会
TEL:011-562-3291
URL:http://bout.jp/
▼会場:
コンカリーニョ
北海道札幌市西区八軒1条西1丁目1−2
(JP琴似駅直結※駐車場無し)
▼チケット料金:
SRS席 7000円 RS席 5000円
※ 当日1000円UP
▼チケット販売所:
チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード837-488
セブンイレブン・サンクス店頭
各出場選手所属ジム
他、数試合予定
山田 タカユキ
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