ノースエリア格闘技イベント BOUT-30
2017年11月5日 札幌市・コンカリーニョ
▼メインイベント
BOUT ムエタイルール63.5㎏契約3分3R
・パッカシット・ウィラサクレック
(WSR札幌)
・パク・ヒジョン
(光州MBSジム/韓国)
※勝者:パッカシット KO 2R1′05
大逆転の悶絶KOで締めくくったことにより、第30回大会にふさわしい盛り上がりをみせたBOUT-30。メインイベントはWSR札幌の守護神・パッカシット・ウィラサクレックが、韓国で二階級制覇を成し遂げ勢いにのるパク・ヒジョンを劇的KOで仕留めた一戦。
BOUT-28でのAKINORI戦で敗戦した後、求心力を失ったかにみえたパッカシットであったが、この一戦での大逆転KOにより輝きを取り戻したようだ。今回はBOUT史上にのこる逆転劇を豊富な画像とともに振り返ってみたい。
▲パッカシットの対戦相手・パク・ヒジョンは、上の画像のようにビックイベントにも参戦する強豪だった。韓国では二階級を制覇しているチャンピオンであり、有望な人気選手だという。
▲寒い寒い会場の廊下で、黙々とウォームアップに励むパク。至近距離でバシャバシャと撮影したが集中力を乱さない。撮影に慣れている、つまり場数を踏んでいる証拠だ。
▲ウォームアップ後に控え室でマッサージをうける。タイオイルなどの血行促進成分が含まれたものは使用せず、ワセリンのみを使用していた。
▲入場時のパク。しっかりと観客を見て、自然な笑顔を投げる。簡単にみえて場数を踏んでないとできない芸当だ。
▲先制攻撃はパクのローキック。これが強烈な当たりだった。ローを効かされて敗れたAKINORI戦が頭をよぎる。動揺を隠せないパッカシット陣営。
▲パクの蹴り脚をキャッチして威力を殺すパッカシット。だが、このクセが裏目に出てダメージを蓄積することとなる。
▲パクは捨てキックをキャッチさせて、がら空きになった顔面へ振り子の原理で思い切りパンチを叩き込む。文字どおり鈍器で殴打するような強烈な一撃。パッカシットは再三にわたって喰らい続けた。
▲アッパーも投入するパク。蹴り脚をキャッチされた場合の対応といい、タイ式ガードを割ってヒットするパンチといい、明らかにムエタイ戦士との戦いに慣れていた。
1R終盤、パンチでのダメージが顕著なパッカシットは、ローキックを蹴って一本足になったところに右ストレートを合わされてダウンを奪われる。
▲1R終了時のインターバル。同じく札幌でトレーナーとして活躍するタイ人、パイ氏(手前の腕だけ写っている方)がリングサイドへ駆けつけると、物凄い剣幕でパッカシットに檄を飛ばした。なにを言ったのかは定かではないが、ここがこの一戦のターニングポイントだった。
▲2R開始直後、パイ氏の「神の声」で覚醒したパッカシットが猛攻。画像では角度的に解りずらいが、パッカシットの右ヒジが「パコン」という鈍い音をたててヒットしている。この一撃がパクの戦意を喪失させる引き金となった。
▲続いてダメ押しの右ローキック。コーナーで身体を九の字にして耐えていたパクは、この一撃で完全に戦意喪失。レフェリーはすぐにスタンディングダウンを宣告した。
▲呆然とした表情でカウントを聞くパク。その目にはもう光はなかった。
▲再開後、止めを刺したシーン。この膝蹴りがボディに突き刺さり、パクは悶絶することとなる。試合前にパッカシットのミット持ちを経験したジム生によると、パッカシットの膝蹴りはかなりの衝撃を伴うらしい。
▲崩れ落ちるパクに、勢い余って蹴りのモーションに入るパッカシット。本能全開。
▲悶絶するパク。レフェリーも最後までカウントすることなく試合をストップした。パッカシットはどこかへ走り出しているが・・・
▲興奮状態にあったのか、誰もいない方向のコーナーポストに駆け上がり、ポーズを決めるパッカシット。
▲気づいて観客のほうへ走るパッカシット。
▲ロープに登り、観客にむけて雄叫びをあげるパッカシット。観客も絶叫で応えた、この日一番のハイライトシーン。
▲この間、パクは身動きがとれない状態。幸い骨折などの被害はなかったようだ。
▲閉会式でのシーン。KO負けを喫すると閉会式に出てこない選手も多いが、韓国勢はちゃんとリング上に残り、対戦相手に礼を述べることを忘れなかった。スポーツマンとしての姿勢に敬意を表したい。
▲こちらは試合後の舞台裏。WSR札幌陣営のセコンドとして来札したWPMF世界二階級王者・一戸総太選手とパッカシット。
▲私服に着替えて帰宅するところだった、ラウンドガールの猪股聡子嬢をつかまえての記念撮影。しゃがんでいる方がWSR札幌の木戸会長、左端がインターバルで激を飛ばしたパイ氏、右端が同じくトレーナー仲間のボー氏。
写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ
山田 タカユキ
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