BOUT-17:SB王者・坂本が凱旋。新空手王者と激突

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ノースエリア格闘技イベントBOUT15函館大会
後援:函館新聞社 (株)ニューメディア函館センター
2014年10月19日(日)函館流通ホール

 地元・函館出身の坂本優起がシュートボクシング王者となって再凱旋。博多の悪童・新空手王者の藪中謙佑を相手に迎えた、シュートボクシング公式戦をはじめ、パンクラス公式戦等、話題満載のBOUT第17回大会。

メインイベント:SB公式戦スーパーウェルター級3分3ラウンド延長ラウンド無制限
○坂本 優起(SBスーパーウェルター級チャンピオンシーザージム※函館東高出身)
×藪中 謙佑(2009全日本グローブ空手道選手権大会優勝・ANCHOR GYM)
判定3-0

 意外にも長期政権を築きつつある坂本が、昨年に続き、故郷・函館に再び凱旋。今回の相手は博多の悪童・新空手王者の藪中謙佑。藪中のセコンドにはRISE3階級制覇の祐樹がついた。
 1R、両者、積極的にパンチで前に出る。圧力は坂本が上。藪中は下がりながらも不敵な表情。クリンチから果敢に投げを試みる藪中。ショートの打ち合いを仕掛ける坂本。藪中もショートのパンチでしっかり応戦。お互いにクリーンヒットはなし。見ごたえのある試合になる予感。
 2R、両者、変わらずパンチで前へ。坂本は投げも狙うが、藪中の腰の強さに不発に終わる。中盤から左ボディブローを投入する坂本。これを機にロープを背負う場面が多くなった藪中。
 3R、クリンチのないキレイな打ちあいが続き、場内は熱狂。先に打ち合いから逃げたのは藪中。ボディが効いてきた藪中を、坂本はラッシュで休ませない。藪中も投げのかけ逃げでごまかさない潔さ。
 終盤、ボディへの膝をくりだす藪中に、坂本の左フックがヒット。グラつく藪中。勝機と見た坂本は猛然とラッシュ、ふたたび左フックでダウンを奪う。藪中がかろうじて立ち上がったところでゴング。判定は文句なしで坂本。メインにふさわしい激戦に、おしみない拍手が贈られた。

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セミファイナル:パンクラス公式戦ミドル級3分3ラウンド
×武田 光博(ベラトレオ函館)
○二つ森 敬浩(R-BLOOD※札幌出身)
TKO3R44秒

 前回の函館大会での汚名を返上したい武田は、入場時から気合十分の表情。お腹の脂肪をブルン、と揺らしながら不敵な表情を浮かべる二つ森には異様な圧力が感じられる。
 1R、かるく挨拶代わりの打撃を見せる両者。武田が前に出るところを、二つ森はスタンドのチョークでとらえる。そのまま引き込む二つ森だが、首がすっぽ抜けて、上になった武田にチャンス。が、二つ森はたくみな足使いで状況をコントロール。立ったまま攻めあぐねる武田は時間を浪費。二つ森は足をひっかけてスウィープに成功、バックからパンチを24連打。
 2R、打撃で襲いかかる二つ森を、うまくグラウンドに持ち込んだ武田。ここで偶発的なバッティングで、二つ森が負傷。5分間の休憩があたえられる。
 再開後、グラウンドで上になった二つ森は、細かいパウンドで、武田の体力を削りにかかる。レフェリーに指示でスタンドに戻ると、二つ森は猛然とパンチのラッシュ。武田は組み付くしか手がない。顔のダメージが深刻な武田はゴングに救われる。インターバルでもイスに座らない二つ森。
 3R、パンチで勝負に出る二つ森。グラウンドに引き込みたい武田だが、膝の踏ん張りがきかず、スタンドに戻ってしまう展開。40秒過ぎに、武田の目じりから出血。無念のドクターストップとなった。

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パンクラス公式戦ライト級3分3ラウンド
×荒川 大輔(ベラトレオ函館)
○三苫“キングコング”亮人(パラエストラ八王子)
TKO1R1分22秒

 今回がプロデビュー戦となる荒川は、純白の空手着をまとって登場。観客の大声援が、荒川の人気度の高さを物語っている。
 試合は、軽い打撃の探りあいから、一気に勝負がついた。
 荒川のフックに対し、三苫はタックルに成功。下になった荒川は、足をフックさせ、下からの腕十字を狙う。荒川が冷静に対処しているかのように見えたが、三苫は”キングコング”さながらのパワーで、振りほどいてしまう。
 すかさず、膝十字をねらい、足を取りにいく荒川。このとき、掴んだ足がすっぽ抜けてしまい、荒川がカメの状態のまま、三苫がバックをとった形に納まってしまう。
 バックから容赦なくパンチをふりおろす三苫。驚異の54連発。カメのままパンチを浴び続ける荒川。柔術黒帯の荒川が正面を向かなかったのは、なんとも不可解だが、ここで無情のレフェリーストップ。しばらく起き上がれない荒川は、担架での退場となった。

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パンクラス公式戦フライ級3分3ラウンド
○棚田 直樹(棚田道場※室蘭)
×鈴木 ユウスケ(2013DEEPフューチャーキングトーナメント優勝・ターニングポイント)
1本勝ち2R2分19秒 ※腕十字

 開始早々に鈴木がテイクダウン、マウントを奪う。棚田は鈴木の両腕をホールドし、好きにさせず、鈴木の重心が前に偏ったのを見逃さず、ひっくり返す。
 下になった鈴木は、すかさず三角でガッチリと固める。脱出不可能が一目瞭然のホールドの深さ。鈴木は棚田の頭に縦ヒジを打ち下ろす。棚田、かかえあげてバスターするも脱出できず。ゴングに救われるまで、この状態。
 2R、鈴木は身長差を生かし、上から覆いかぶさるように組み膝。足を掛けてテイクダウンを狙うが、棚田がうまく切り返してマウントを奪う。鈴木はブリッジで一回転。逃がさずバックからチョークを狙う棚田。鈴木は回転し、サイドからトップへとじわりじわりと体勢をもどす。
 下になった棚田は、さりげなく鈴木に左腕に手を添える。そのまま得意技の下からの腕十字へ。鈴木はたまらずタップ。耐えに耐えた逆転劇だったが、棚田は「これくらい当たり前」といった表情で喜びをあらわさない。リング上で愛娘を抱き上げた時、ようやく笑みを浮かべた。

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他の試合結果は以下の通り。

パンクラスゲートフェザー級3分2ラウンド
×冨田 正美(忠和會)
○松浦 孝弥(棚田道場※室蘭)
KO 1ラウンド2分28秒

パンクラス公式戦フライ級3分3ラウンド
○田中 智也(CURA)
×千田 昇(INSANITY)
1本勝ち1ラウンド2分20秒

写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。