BOUT-31 レビュー@布施鋼治

みなさんお待ちかね。札幌出身のスポーツライター・布施鋼治さんによるBOUT-31のレビューが、BOUT実行委員会さんから届きました。早速お届けします!

text:布施鋼治 photo:和田憲太

北海道唯一の立ち技格闘技イベント『BOUT31』が″北の格闘技の聖地″札幌コンカリーニョで行われた。270名(超満員=主催者発表)と超満員の観客が見守る中、試合は第1試合からメインイベントまで全試合KO決着。メインで川島史也が地元のAKINORIを2ラウンドKOで破っても、激闘の余韻に浸りたい多くの観客はなかなか会場をあとにしようとしなかった。

川島史也 vs AKINORI

         
トリは札幌在住のAKINORIが川島史也に挑むRISE公式戦が組まれた。現在群馬在住の川島がRISEライト級6位なのに対して、AKINORIは同級8位。地元に格上のランカーに挑む格好となったAKINORIは1Rから強いプレッシャーをかけていく。

それに対して川島は十分に距離をとって、相手のローやミドルを見切る。1分過ぎ、徐々に手数を増やす川島に対し、AKINORIは力強い右ローを当てていく。負けじと川島は左ストレートをライトヒットさせる。お互い一歩も引かぬ攻防に、観客席からは大きな拍手が沸き起こった。

続く2R、それまでとは打って変わって距離を狭めた川島は右のショートをクリーンヒット。すぐにAKINORIは「効いていない」という素振りを見せながら右ローを連打する。川島の下半身にはそれなりのダメージが蓄積されているように見えたが、ロープを背に右ストレートをきれいに合わせ、AKINORIをキャンバスに這わせた。

試合後、川島は笑顔で(これが)実力ですよとジョークを交えながら勝因を語り始めた。「もう僕も11戦目。8~9戦目当たりからパンチで倒す感覚を掴めてきた。1Rは様子を見ていました。(フィニッシュショットは)たまたまタイミングが合った感じ」今回が初めての北海道での一戦だったが、アウェー感は全く感じなかったという。

「ラーメンも刺身もうまかったし、会場はマナーのいいお客さんばかり。RISEのライト級は熱を帯びているので、ビッグイベントからも声がかかるように頑張りたい」一方、敗れたKINORIは肩を落とすばかり。激闘であったがゆえに、勝者と敗者のコントラストは際立っていた。

出口智也 vs 嶋田将典

急遽参戦が決まった出口智也は嶋田将典を迎え撃った。かつて武尊とも対戦経験のある嶋田は地元・静岡を拠点に活動し、昨年のBOUT28に参戦経験もある。嶋田は1Rから積極的に飛びヒザ蹴りを狙っていく。

冷静に相手の動きを見ながら出口は相手をロープにつめ、右フックからの連打で先制のダウンを奪う。立ち上がってきた嶋田は激しい打ち合いに持ち込む中、一瞬間を置いて2度目のダウンを奪われる。左ミドルで必死に反撃を試みるも、出口はとどめの右フックで引導を渡した。釧路在住の出口は現在RISEバンタム級6位。この勢いで同級の上位に食い込めるか。

北濱精悦 vs KENTA

かつて小樽市を拠点に空手家として活動していた北濱精悦が北海道に凱旋。2016年に新空手のJAPAN CUP-65㎏級優勝という実績を持つKENTAと拳を交わした。北濱は「お父さん、頑張れ~っ」という息子の声援を背に、意識してボディストレートを打ち込んでいく。

一方のKENTAは相手の動きに合わせてミドルキックやローを返す。2Rになっても白熱したシーソーゲームは終わらない。北濱が左のインローを狙えば、KENTAはワンツーやヒザを返していく。一進一退の攻防が続く中、北濱は2R終盤から徐々に失速。

KENTAに闘いのテンポで遅れをとってしまい、3R開始早々、左ハイでダウンを奪われる。その後左ミドルで怒濤の反撃を試みる北濱だったが、フットワークが単調になりがちでKENTAの右で何度もグラつかせられる。最後は痛烈なワンツーを食らい、深々と沈んだ。

(TEXT:布施鋼治 ※札幌市出身)



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布施 鋼治

布施 鋼治

スポーツライター。1963年、札幌市出身。アマチュアレスリング、ムエタイ、MMAへの造詣が深く、雑誌「Sports Graphic Number」の連載、新聞への寄稿など幅広く執筆。「吉田沙保里119連勝の方程式」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他の著書に「東京12チャンネル運動部の情熱」「なぜ日本の女子レスリングは強くなったのか 吉田沙保里と伊調馨」等々、多数。
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