ノース3兄弟&村田良蔵が語る、BATTLE MIX 9 直前座談会 | ノースキングスジム・山本辰弥さん、吉田イサヲさん、林崎”マニア”俊介さん、オーバーリミット札幌・村田良蔵さん

インタビュー第26回は、BATTLE MIX 9に出場予定の山本辰弥選手・吉田イサヲ選手・林崎”マニア”俊介選手の「ノース3兄弟」に加え、ブラジリアン柔術の鬼才・村田良蔵選手を迎えてのプチ座談会をお届け。激戦が予想される4選手が直前の抱負を語ります。

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オヤジ狩りされないように頑張ります(山本)

――今回はBATTLE MIX9直前プチ座談会ということでお集まりいただきました。皆さん、元々は柔術道場・ギムナシオン札幌所属ということで、共に汗を流した仲ですから、ざっくばらんにお話していただければと思います。

 山本:とりあえず、マニア(林崎選手)はネコの話でもしてたらいいんじゃない?

 林崎:ちょっとちょっと、今日は真面目な話をしに来たんですから(笑)。

――好評だったんですけどね、ネコ企画は(笑)。ま、ネコの話はさておき、皆さん調整のほうはいかがです?減量はうまくいってますか?

 林崎:っていうか、村田さん、身体デカくなったんじゃない?

 村田:最近、ウェイトも始めたからね。サプリメントにも月に3万円くらい使ってる。名前忘れたけど、血管を拡張させるやつとか・・・・。

 林崎:NO(エヌオー)でしょ?

 村田:そうそう、エヌオーだよエヌオー。あれ飲むと筋肉のパンプアップすごいんだよね。

 林崎:山本さんも撮影前に飲んだらいいんじゃない?

 山本:撮影のためだけにな(笑)。

――筋肉量が増えると減量が大変じゃないですか?

 村田:減量や食事管理もトレーナーに任せてるんで、その点は心配してません。とりあえず、今は70kgでキープして、バイクなんかで徐々に絞っていく予定です。食事も炭水化物は抜いて、たんぱく質中心ですね。

 吉田:炭水化物なしじゃキツくない?

 村田:もともと、炭水化物は食べないほうだからね俺は。

 山本:オーバーリミット札幌は減量失敗した選手がいないから大丈夫でしょ。

 林崎:結局、減量って自分で管理するより他人に全部管理してもらったほうがラクなんだよね。

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目標はマスター世界チャンピオン(村田)

――吉田選手は普段からスリムですから、減量なんかとは縁がないのでは?

 吉田:僕の場合、吉野家で牛丼食って、家帰ってビール&ポテチっていう基本パターンを崩さなければ、なにもしなくても適性体重なんですよ。

――プロ格闘家にしては驚きの食生活ですね(笑)。

 山本:イサヲ(吉田選手)と一緒に飯食った時はビックリしたもんな。調味料ぶっかけまくるから。

 林崎:ヨッシー(吉田選手)の場合はそれで身体を鍛えてるんでしょ(笑)。

 吉田:そうそう、あえて身体に悪いものを摂取することによって、逆に身体を鍛えてるんですよ(笑)。

――吉田選手の強さの秘密は吉野家&ビール&ポテチだったと。真面目にサプリ飲んで頑張ってる若手にはショッキングな話ですね(笑)。さて、本題に入って試合への抱負を伺いたいと思いますが、まずはメインを務めます山本選手から。いかがですか調整具合は?

 山本:順調にいってます。少し前まで故障箇所があったんですけどね、思ったより早く完治してくれたので、その点はラッキーでしたね。いまは普通にスパーリングもこなしています。

――これまでの格上選手との対戦と違い、今回の小堀選手は若手の選手ですね。こういったマッチメイクには往々にして”魔物”が棲んでるといわれますが、不安は感じていますか?

 山本:若手といっても場数を踏んでる選手ですからね、油断はできませんよ。ま、オヤジ狩りされないように頑張ります(笑)。

 吉田:普段通りの動きをしてれば大丈夫だよ、山本さんは。

 山本:そうそう、自分の動きなんだよね結局は。それに、道内で試合できる機会も減ってきてるのが現状でしょう?相手がどうこうより、いただいたチャンスに対してベストを尽くすだけなんだよね。

 村田:みんなはさ、年にどれくらいの試合数がちょうどいいの?スケジュールに好きにマルをつけろって言われたら、幾つマルをつける?

 吉田:俺はそれだけで食えるんだったら、年4試合くらいがちょうどいいね。

 林崎:俺も3~4試合くらいかな。ダメージの回復を考えると、それくらいに落ち着くよね。

 吉田:だよね。やっぱ若手とは違うんだからさ、俺らは(笑)。

 林崎:オジサンばっかだからな。他のスポーツだったら、監督とかコーチになってる年齢だっつの(笑)。

――最近はトーナメント方式の大会も開かれますよね。柔術の大会であれば、トーナメントが主流ですから。

 吉田:俺らはワンマッチに慣れちゃったからね。トーナメントに出たら、最初の試合が終わった時点で気持ちがリセットされちゃう。決勝までの数試合、同じ緊張感を維持するのは大変だよ。村田さんなんか、どうしてるの?

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義妹が相手選手のファンなんですよ(林崎)

 村田:毎試合、同じ気持ちじゃないんだよね。一回戦目でも「あ、これ勝てるな」って思ったら、どこでポイントを取って勝つかだけ決めといて、あとは流すみたいな。一本取れる場面でも、次の試合のことを考えて力を温存しておくことはよくあるよ。一本取りきったはいいけど、それで消耗しちゃったらバカみたいじゃん。そんなことばっかり考えてる。

 林崎:柔術できついのはさ、計量が試合直前でしょ。あれはないよね。パスしなかったら、試合までの短い時間で死ぬほど動いて、試合の時はもうフラフラみたいな。

 村田:日常的にナチュラルで体重管理ができてないとダメなんだよね。身体にいいよ(笑)。

 山本:俺は柔術の大会に出たとき、足つりながらやってたっけ。

 林崎:下手に水抜きやると恐ろしいことになりますからね(笑)。

――村田選手は今回、ワンマッチ形式の試合となりますが抵抗はありますか?

 村田:俺はもともと試合が好きじゃないんで、試合数をこなすトーナメントよりは、ワンマッチのほうが性に合ってますね。

――対戦相手の金古一朗選手ですが、マスター世界2位・全日本の連覇経験もあるビックネームです。抱負をお聞かせください。

 村田:金古選手と戦った日本人選手の、ほとんどが彼に負けてるんですよ。どうして勝てないのか、その理由はなんなのか、とても興味があったんです。で、オファー出したら受けてくださったんで、とても感謝しています。当日は胸を借りるつもりで、思い切りぶつかります。
 それから、俺も来年35歳になるんで、出場クラスをマスター(35歳以上のクラス)に転向して世界王者を目指そうかと思ってるんですよ。そういった意味で、マスター世界2位まで登りつめた金古選手の胸を借りることは有意義な経験になると思います。

 林崎:柔術・日本最高峰の戦いか。今から楽しみだな。

 村田:俺はマニアの試合のほうが楽しみだぞ。

――林崎選手のお相手は澤藤”ジェンコ”陽輔選手です。道内在住の選手同士の対戦というのも興味深いですね。

 林崎:すごいですよ、僕の相手は。サンボの日本王者・柔術黒帯ですから。

 山本:マニアだってネコに詳しいだろ、大丈夫だって。

 林崎:試合と全然関係ないじゃないですか。逆にナメられますって(笑)。俺も新人王トーナメントで負けてるし、澤藤選手もデビュー戦落としてるから、ある意味サバイバルマッチなんですよ。笑い事じゃないんですから!

 吉田:澤藤選手っていえば、イケメンで有名じゃない?韓流スターっていうかさ。

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テーマは”すべて出し切ること”(吉田)

――ほう、そうなんですか。でしたら林崎選手も、ある意味やる気が出るのでは?

 林崎:実は、嫁の妹が澤藤選手のファンなんですよ。彼のブログなんかをマメにチェックしたりしてね。今回もジェンコ側の応援に回るとか回らないとか・・・・。「おまえ、身内だろっ」って話ですよ。どっちの味方なんだって(笑)。

 村田:マニアの奥さんて超美人だよな。

 吉田:そうそう、それで一歩リードしてんじゃん(笑)。

 林崎:だから、試合の勝敗に関係ないでしょって(怒)。

 村田:でもさ、俺とヨッシーとマニアはギムナシオンの同期だけど、3人の中で一番格闘技のセンスがあるのはマニアなんだよね。自信もっていいと思うよ。

 林崎:うん、豪快にKOで仕留めるから期待しててよ。それより、今回一番の試練を迎えるのはヨッシーだろ?

――林崎選手の仰るとおり、吉田選手はノース3兄弟のなかでは一番の強敵を迎えますね。しかし、対戦相手のオニボウズ選手は世界ランカーですから、勝利すればAクラス昇格&ランキング入りが見えてきます。

 山本:そうなんですよ。だから、イサヲには絶対に勝たせてやりたい。俺らも自分の試合があるわけだけど、できる限りイサヲをバックアップしてやりたいですね。

 村田:おいしいじゃん。勝てばギャラも上がるぞ(笑)。

 吉田:今回のテーマは「出し切る」ことなんだよね。とにかく自分の持ってるものを全部出すと。そうすれば結果はついてくるもんだと信じてる。

 村田:でもマッチメイクとしてはおいしくない?俺的には格下の選手とやるより格上の選手とやったほうがラクだけど。

――わかります、わかります。追われる立場より追う立場ですよね。それに吉田選手は、いささか過小評価されてきた選手だと思うんですよ。ここで一気にブレイクしてほしいものです。

 林崎:そういえば村田さん、一等地にヨガスタジオ出したそうじゃない。今日がオープン日でしょ?

――「BUTTI ON LINE(ブッティオンライン)」ですよね。じつは私も先ほどまでスタジオにお邪魔していたんです。とても素敵なスタジオでしたよ。

 村田:ありがとうございます。ニューヨークのスタジオをイメージして作ったんですよ。スタッフも一流のインストラクターを揃えてます。BATTLE MIXのパンフレットにも広告載せますから、皆さん是非遊びに来てください。

――では最後になりますが、ノース3兄弟の長男・山本選手に意気込みを語っていただき、締めくくっていただきましょう。

 山本:あまりカッコいいセリフは言えないんですけどね、今大会を主催してくださったBATTLE MIX実行委員会の宮地社長には、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいんですよ。
 さっきも言いましたけど、道内で開催される修斗の興行は少なくなっているのが現状です。かといって僕たち地方の選手は、よほどの好戦績を残さない限り本州からのオファーはありません。
 そういったなかで、こうして活躍の舞台を用意していただけるというのは、本当にありがたいことなんです。修斗はもちろん、プロ柔術の試合を生で観戦できるなんて、道内ではBATTLE MIXだけでしょう?
 そのご恩に報いるためにも、いい試合をして大会を盛り上げなければいけません。これはある意味、試合の勝ち負けよりも大切なことですよ。
 大会当日は出場選手一丸となって大会を盛り上げますので、みなさんのご来場・ご声援をよろしくお願いしたいと思います!

――それでは来たる10月5日、皆さんの健闘を祈ります。本日はありがとうございました。

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ジム・道場データ

Photo & Text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。