BOUT-25 直前プレビュー@布施鋼治

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いよいよ明後日に迫った、札幌コンカリーニョで行われる格闘技イベント「BOUT-25」。

注目のメインは、BOUT23において、RISEランカーの津田鉄平(レフティージム)に逆転KO勝利を収め、RISEランキング入りを果たした山川賢誠(RISEバンタム級9位・札幌道場)と、鈴木雄大(STURGIS新宿ジム)の因縁の再戦。

セミ・ファイナルでは、BOUTの貴公子・AKINORI(蹴空ジム)が、ナポレオンを敬愛するガッツマン・SEIDO(RISEライト級10位・TEAM ORCA)を迎え撃つ、見どころ満載の今大会。

今回は恒例となったスポーツライター・布施鋼治氏による直前プレビューが、BOUT実行委員会から届いたので早速お届けしたい。

11月20日:BOUT-25直前プレビュー@布施鋼治

気がつけば、もう年の瀬。BOUTも今年度の最終戦を迎えた。大会のメインテーマはブレずに北海道VS本州。

北海道日本ハムやコンサドーレ札幌を例に出すまでもなく、北海道のファンにとっては地元の選手を応援しやすいシチュエーションだ。一方、来年度から本格的な本州進出を目論む道内の選手にとっては絶好のチャンスとなるだろう。

メインイベンターに抜擢されたのはRISEバンタム級9位の山川賢成だ。前大会で初めてトリを務め、来年1月にINNOVATIONの王座決定戦に出場することになった小笠原裕典と激闘を繰り広げたことは記憶に新しい。

そんな山川と対峙するのはRISEバンタム級10位の鈴木雄大だ。両者は2013年2月3日、東京で開催されたRISE ZEROで初対決。当時の山川はまだプロ2戦目だったが、キャリアに勝る鈴木に勝るとも劣らぬ攻防を見せ引き分けに持ち込んだ。

それから3年9カ月、両者の立場は逆転し、現在は山川の方がランキングは上だ。いみじくも山川は今回は僕が圧倒すると断言する。

「鈴木選手はとにかく手数とスタミナのある選手だと思いました。でも、以前と比べてテクニックやスピードの面で格段に強くなっている自分を見せられると確信しています」

この一戦に向け、”スーパー高校生”那須川天心が所属する東京のTARGETで武者修行に励んだ山川の覚醒に注目だ。

またセミファイナルにはRising Rookies CUP2014優勝の実績を持つAKINORIが登場し、RISE10位のSEIDOと激突する。

SEIDOは以前KING MASAのリングネームで活躍していたキックボクサーで、WPMF日本ランキングにも名を連ねている強豪だ。

格上のランカーに勝利して再びランキング入りを目指すAKINORIにとっては格好の相手だろう。やるかやられるかのKO決着と意気込む。

「SEIDO選手は気持ちを前面に出して闘うスタイルなので、自分と噛み合うと思ってます」

対するSEIDOも

「AKINORI選手とは以前からやりたいと思っていました」

と語っているというだけに正面衝突は避けられそうもない。

WSR札幌で腕を磨く山田忠洋の成長ぶりも楽しみだ。今年はBOUTにレギュラー出場を果たし、9月の下野魅斗戦はドローに終わっている。その前のBOUTでの2戦は黒星に終わっているだけに、そろそろ地元での白星が欲しいところだ。

今年8月、Rising Rookies CUPフェザー級準決勝で田口尚に敗北を喫した畑中健太は再起戦に臨む。対する泰良拓也もRookies CUP経験者で、一昨年の同トーナメントでは優勝候補と目された強打者だ。お互いのパンチが激しく交錯した時、この一戦はクライマックスを迎えるのではないか。

また第1試合には”名門”東海第四(現・東海大札幌)で高校野球児だった白岩昭人がプロデビュー戦を迎える。NJKFのプロテストも合格した白岩を迎え撃つのは”道央の雄”竹内幸司。

10月16日のパンクラス札幌大会、11月3日のGRANDSLAMに出場しているが、疲れた素振りは見せない元気なオーバーフォーティだ。過去にキックルールで闘った経験もあるだけに、ルールの違いに戸惑うこともあるまい。どんな一戦になるか。

(スポーツライター 布施鋼治)

【決定済み対戦カード】


▼メインイベント
RISE公式戦バンタム級3分3ラウンドEXR1ラウンド
山川賢誠(RISEバンタム級8位・札幌道場)
鈴木雄大(STURGIS新宿ジム)


▼セミファイナル
RISE公式ランキング戦ライト級3分3ラウンド EXR1R
SEIDO(RISEライト級10位・TEAM ORCA)
AKINORI(RISEライト級11位・蹴空ジム)


▼第3試合
RISE公式戦52.5kg契約3分3ラウンド
山田忠洋(WSR札幌)
田中仁(湘南格闘クラブ)


▼第2試合
RISE公式戦フェザー級3分3ラウンド
畑中健太(蹴空ジム)
泰良拓也(正道会館)


▼第1試合
RISE公式戦76kg契約3分3ラウンド
竹内幸司(HLC)
白岩昭人(grabs)

【ノースエリア格闘技イベント BOUT-25: 開催概要】

日時:2016年11月20日(日)17時開場17時30分試合開始

主催:BOUT実行委員会 http://bout.jp/

場所:コンカリーニョ(JR琴似駅直結※駐車場無し)

チケット料金:SRS7000円、RS席6000円、A席5000円(当日500円UP)

【チケット発売所】

・チケットぴあ:0570-02-9999 
 Pコード833-796(セブンイレブン・サンクス店頭)

チケットぴあ販売ページへ

・他、各出場選手所属ジム

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布施 鋼治

スポーツライター。1963年、札幌市出身。アマチュアレスリング、ムエタイ、MMAへの造詣が深く、雑誌「Sports Graphic Number」の連載、新聞への寄稿など幅広く執筆。「吉田沙保里119連勝の方程式」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他の著書に「東京12チャンネル運動部の情熱」「なぜ日本の女子レスリングは強くなったのか 吉田沙保里と伊調馨」等々、多数。

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