BOUT-23:出口飛びヒザ一閃、ランカー手玉

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ノースエリア格闘技イベント BOUT23
2016年6月19日(日)札幌市・コンカリーニョ

▼メインイベント:
RISEランキング戦バンタム級3分3ラウンド延長1ラウンド
沙斗流(RISEバンタム級7位・ラビットカラテ※函館出身)
出口 智也(忠和會)
勝者:出口 KO,1R2′05

相手の沙斗流も打ち合い上等のファイタータイプだけに、パンチを得意とする出口とは噛み合う試合になるだろうと期待が寄せられた一戦だった。

が、ふたを開けてみれば噛み合うもなにも、出口が2度のダウンを奪う1Rでの分殺劇を演じたのである。

釧路の核弾頭・出口智也の、前後に小刻みに動くステップをひさびさに見たように思う。

アマチュア時代から、この”智也ステップ”がでたときは好成績を収めている、一種のバロメーター的なステップだ。

出口が開始のゴングと同時にこのステップを見せたとき、「これはランカー越えの可能性大だな」と思ったわけだが、これほど圧巻の試合内容を見せられるとは思わなかった。

筆者が驚いたのは最初にワン・ツーで奪ったダウンだ。連続写真で振り返ってみよう。

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写真でもわかるとおり、出口が繰り出したワン・ツーの「ツー」は後頭部へ空振りしており被弾していない。つまり沙斗流は「ワン」の左ストレートでダウンしているのだ。

左ストレートを喰らった場合、後ろに尻餅をつくように倒れるのが普通である。しかし、今回のように前方に前転するように倒れるというのは、なかなかお目にかからない。

ダウンした沙斗流も「なにが起こったんだ?」といった顔で天井を見つめている。

このダウン、効いて倒れたダウンだったのか、足がもつれてのスリップだったのか、イベント関係者の間でも意見がわかれた。しかし立ち上がる際、沙斗流は明らかに”ふらつき”を悟られまいとして慎重に立ち上がっている。間違いなく効いているのだ。

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「あれはですねぇ、出口君の”引き”のスピードが速すぎるために起こった現象ですよ。パンチを引く時のスピードが速すぎると、前転するように倒れるものなんです」というのは某プロデューサーの談である。

そしてもう一つ、出口の繰り出す攻撃で光っていたのがパンチからローキックにつなげるコンビネーションだ。

普通、この手のコンビネーションでは、パンチ3割・キック7割といった具合に力の配分をするものだが、出口のそれはパンチ10割・キック10割だ。それでいて体勢がいっさいブレていないのは、よほど体軸がしっかりしているのだろう。

沙斗流も最初のパンチで飛ばされないように踏ん張るのが精一杯で、ローのカットまで手が回らない。沙斗流はこのローキックで何度も大きく体勢を崩した。試合を決めた2度目のダウンもこのコンビネーションからの流れだ。

連続写真で振り返ってみよう。右ローを被弾した沙斗流は、あわや転倒かと思われるほどの崩れ様 → なんとか堪えたときには、出口が飛びヒザのモーションに入っている → 出口の飛びヒザがテンプルに命中 → 倒れた沙斗流になおも襲いかかる出口

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思えば、道内で破竹の連勝を続けていた出口が、東京遠征においてプロ初黒星を喫したのが2年前である。しかも1Rノックアウト負けという屈辱を味わった。

今回は逆に現役ランカーを1Rノックアウトで下し、見事に借りを返したといえる。しかも全日本ランキング入りといったお釣りまであるわけだ。

道内勢の悲願でもあるメジャー団体のランキング入りを果たした出口に心から「おめでとう」といいたい。

次戦では押しも押されぬ”全日本ランカー”出口智也の勇姿がみれる。またしてもBOUTのチケットが入手困難となりそうだ。

この大会のダイジェストをみる>>

写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。愛読書はさいとうたかおの「鬼平犯科帳」。
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