BOUT-21:カリア Presents Northen Supernova 2015 ダイジェスト

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ノースエリア格闘技イベント BOUT21
カリア Presents Northen Supernova 2015
2015年12月6日(日)札幌市・琴似コンカリーニョ

 フェザー級道内最強を決定する賞金トーナメントの開催が話題となった今大会。トーナメント決勝では出口智也(忠和會)とダークホース・畑中健太(蹴空ジム)が激突。延長戦の末、出口が道内最強を証明した。優勝候補が相次いで脱落する大波乱&大の字KO続出で、ファンを大熱狂の渦に巻き込んだBOUT第21回大会。詳細は各試合のレビューに譲るとして、ここではダイジェストでお届けしたい。

▼メインイベント:カリア Presents Northen Supernova 2015 決勝戦3分3R(延長2R)
○出口 智也(忠和會)
×畑中 健太(蹴空ジム)
延長判定3-0

 センスの畑中とスピリットの出口が決勝戦で激突。1Rから前蹴り、飛びヒザなど、のびのびと攻撃を繰り出す畑中。出口はガードを重視した右ロー狙い。
ここまですべての試合をKOで決めてきた畑中は、強気で前に出る。出口は慎重に距離を測り、冒険はしない。終盤に出口も連打でポイントメイク。
 2R、出口の右ローが冴えるが、畑中の前進は止まらない。身長差を生かした上段への前蹴り、ボディブローなども交えて出口を追い込む。畑中の派手な動きに対して、出口は非常に地味。畑中有利の印象が会場に広がる。
中盤に畑中のハイキックで出口がのけぞるが、今度は出口の右ストレートで畑中がのけぞる。一進一退の攻防。
 3R、下に意識がいく畑中に、出口がパンチで仕掛ける。畑中も必殺のフックで対応すると、会場にはどよめきが。印象で畑中、ダメージで出口といったところ。「ラスト30秒」がコールされると、両者は真っ向から打ち合い、会場は興奮の坩堝に。3R終了時の判定は1-2(畑中)でドロー。延長戦へと突入した。
 延長戦は、右脚のダメージを隠せない畑中に対し、出口が右ローを集中砲火。3-0の判定で高額賞金を手にした。

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▼セミファイナル:ムエタイルール67kg契約3分5ラウンド
○TETSURO(grabs)
×倉沢 和行(ポゴナクラブ)
判定3-0

 TETSUROが初のムエタイルール5Rに挑む一戦。1R、軽いフットワークからロー&ミドルを繰り出すTETSURO。蹴りとパンチを織り交ぜるスタイルが様になってきた。
足を使い、接近戦を避けるのかと思いきや、接近戦でも果敢にヒジを叩きつけるTETSURO。しかも横ヒジ、縦ヒジとバラエティに富んでいる。ヒットはしないまでも、TETSUROの非凡さを垣間見た。
 対する倉沢はポッチャリとした巨漢。表情に変化がなく、繰り出す攻撃にも覇気がない。あまりに手数が少ないため、TETSUROがサンドバックを相手に格闘しているかのような錯覚を覚えるラウンドも。
中盤から膠着が多くなる。ただ抱き合ってるだけの倉沢に、TETSUROは右ヒジの乱れ打ち。子供の喧嘩のようなヒジではあったが、会場は大いに沸いた。
 終盤、TETSUROの後ろ蹴りがグサリ。失速する倉沢に追撃するTETSURO。待望のダウンを奪う。そのままKOが期待されたが、のらりくらりかわされてゴング。終了後、ウィラサクレック札幌ジムの門番・バッカシットとの一戦が決定したと発表され、両者がリング上で対峙した。

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▼第7試合:カリア Presents Northen Supernova 2015 準決勝第2試合3分3R(延長1R)
×山川 賢誠(札幌道場)
○畑中 健太(蹴空ジム)
KO 2R

 事実上の決勝戦と目された一戦。畑中の豪打か?山川のカウンターか?
1回戦で山川の兄貴分・永山を葬った畑中は、リングインから笑顔が絶えない。山本キッドがK-1に初登場した村浜戦を思い起こさせる。対する山川は若干、硬い表情。「決勝戦のつもりでいけ」と激を飛ばされてからのリングインだ。
 1R、1回戦同様、フックを軸に攻める畑中。山川は打ち合いに応じるか、それとも避けるべきか考えあぐねている様子。終盤に思い出したようにパンチで攻め込む山川。ここから一気に試合が動く。両者のパンチが交錯するたび、観客は熱狂。
 2R、両者とも蹴りを封印し、打ち合い勝負。中盤に畑中がカウンターのフックを決めると、山川はダウン。今大会3回目の大の字ノックアウト。リング退場に担架が用意されるほどの戦慄のKO劇だった。

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▼第6試合:カリア Presents Northen Supernova 2015 準決勝第1試合3分3R(延長1R)
○出口 智也(忠和會)
×関口 直正(パラエストラ札幌)
KO 1R

 今回が2度目の対決。前回は出口の1ラウンドKO勝利。関口は悲願の雪辱なるか?
1R、念願の再戦に、関口は気合十分の表情。ジャブとロー、巧みに上下を打ち分け、揺さぶりをかける。出口は一度ラッシュを試みたが、関口のヒザの前に諦めざるを得ない。関口のローに、コツコツとパンチを合わせて伺う。
終盤、やや強めに圧力をかける出口。関口は苦悶の表情をうかべながらも、ヒザで応戦。前回とは違い、心が折れない関口に、出口陣営は「ボデーだ。ボデー」の指示。出口がボディを叩くと、あっさり連打を許してしまう関口。
出口がボディからの返しのフックで一気に試合を決めた。

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▼第5試合:RISE公式戦スーパーフェザー級3分3ラウンド
×山口 翔平(grabs)
○千羽 裕樹(スクランブル渋谷)
判定3-0

 千羽の顔がよかった。「この試合で選手生命を終えてもいい」、そう決めているかのような顔だった。
1Rから右ストレートと右ローで前に出る千羽。山口もなかなかの圧力をもつ選手だが、その山口が圧力負けしてしまう。grabsの選手が後退する場面はめったにお目にかからない。
山口も注目に値する選手だが、後退しながらの攻撃では彼の持ち味が出なかった。今回は千羽の気迫が一枚上だったといえるだろう。

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▼第4試合:カリア Presents Northen Supernova 2015 一回戦第4試合3分3R(延長1R)
×永山 敬之(札幌道場)
○畑中 健太(蹴空ジム)
KO 2R

 優勝候補筆頭、永山がリングに登場。参加選手中、一番キャリアの浅い畑中を軽くいなすかと思いきや、1Rからダウンを奪われる波乱の展開。コーナーで苦笑いの永山。これですっかり勢いづいてしまった畑中は、その後も上段前蹴り、飛びヒザ等々やりたい放題。
 2R、永山の逆襲が期待されたが、早々に畑中のフックの前に大きくグラつく。勝機と見た畑中は、一気にラッシュ。スタンディングダウンを奪う。畑中陣営は「決めろ」の指示。再開後、永山も果敢に打ち合うが、ふたたび畑中のフックの前に深々と沈んだ。今大会2回目の大の字ノックアウト。

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▼第3試合:カリア Presents Northen Supernova 2015 一回戦第3試合3分3R(延長1R)
○山川 賢誠(札幌道場)
×がんばれ!古川くん(grabs)
KO 2R

 ”草食の倒し屋”山川が1年半ぶりにリングに登場。有意義なブランクを過ごしたと見えて、その表情に迷いはない。対する古川は、この試合がプロ・デビュー戦。出場予定だった工藤卓也の欠場のため、直前にリザーバーから昇格しただけに、戸惑いの色を隠せない。ゴングが鳴っても硬さのとれない古川は、省エネで試合を終わらせたい山川の格好の餌食となった。組んではこかされ、蹴り脚をとられてはこかされ、まったく歯がたたない古川。少々重荷のカードだったか。2Rにパンチの連打を浴びせ、古川が背中を見せたところで試合はストップ。

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▼第2試合:カリア Presents Northen Supernova 2015 一回戦第2試合3分3R(延長1R)
×田中 章一郎(TRIBELATEフェザー級チャンピオン/フリー※釧路出身)
○関口 直正(パラエストラ札幌)
KO 2R

 1R、ロングフックとミドルキックで圧力をかける田中。ラッシュへの対応を苦手とする関口は露骨にいやな顔。しかし、細かいパンチと、上下に蹴り分けるヒザ蹴りで、田中に試合を作らせない。このあたりは、以前にはない逞しさを感じた。ラウンド後半には早くもスタミナ切れを隠せない田中。
 2R、関口はショートのアッパーを投入。ヒザ蹴りでくの字になった田中の顔面を容赦なくカチ上げる。離れればミドル、近づけばヒザ&アッパー。中盤、まったく対応できない田中は、たまらずダウン。盛り上がる関口応援団。関口陣営からは「決めろ」の指示がでる。
 腹が効いているのか、必死にボディをかばう田中。そこに関口は、兄貴分である和製ミルコ・石澤大介ゆずりのハイキックを一閃。コーナー付近で大の字ダウンの田中。カウントはなし。今大会1回目の大の字ノックアウト。しばらく立ち上がれない田中。

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▼第1試合:カリア Presents Northen Supernova 2015 一回戦第1試合3分3R(延長1R)
○出口 智也(忠和會)
×中澤 弘志(スクランブル渋谷※札幌出身)
判定3-0

 前に出る圧力が持ち味の両者。真っ向からの打ち合いが予想されたが、意外にも出口は下がりながらのカウンター狙い。トーナメントゆえの省エネ戦法か。要所要所で短いラッシュを見せる出口。
対する中澤は、1ラウンドからエンジン全開。パンチで出口をロープに詰める。ガードが固い出口。中澤陣営からは「蹴りまで繋げろ」の指示がでるが、中澤は応えられない。
2Rになると徐々に手数が減ってきた中澤。ガードの隙間からじっくり観察する出口。手数は互角だが、クリーンヒットでは圧倒的に出口といった展開。
3R、両者の回転数の差がでる。コンパクトな出口の連打に、中澤の大振りパンチがついていけない。中澤は気合が入っていただけに、不完全燃焼といった表情。判定後、何度も首をかしげていた。

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写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ


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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。