2014年、道内女子格闘技はこの選手に注目せよ! | 一信会館・佐藤瑠華さん

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インタビュー第23回は、空手道・一信会館の佐藤瑠華さんにインタビュー。グローブ空手の最高峰「K-4グランプリ」に挑戦し続けるホープの素顔に迫ります。

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Krushのリングで戦ってみたい

――年末に行われた第230回新空手道東京大会に出場し、惜敗した佐藤選手。まずは感想をお聞かせください。

 今回、初めて東京の大会に出させていただきました。やはり首都圏のレベルがどれほどのものかを知ることができたのが一番の収穫だったと思います。今後の目標の設定や練習内容の組み立てといった部分に反映していきたいです。

――関東以北最大の競技会、「チャレンジカラテ・トーナメント」等で優勝された実績をお持ちの佐藤選手ですが、その実績をもってしても相当に高いレベルでしたか?

 正直に言うと、ダウンがなければ勝てた試合かなって思います。相手の選手も名門ジムに所属している選手でしたから、そういった意味では努力しだいで上を目指せるなって思いました。

――試合の映像を拝見しましたよ。怪しいダウンでしたよね、尻もちっぽい感じの。あれは効いて倒れたんですか?

 効いてはいないです。出会いがしらにもらっちゃったんで、バランスを崩したって感じですね(笑)。

――接近してからの攻撃が光っていましたが、あれは考えてあった作戦なんですか?あの距離での攻防は相手も嫌がっていたと思いますが。

 今回は相手選手のデータが何もなかったので、作戦は立てていませんでした。セコンドからは、とにかく止まらずに前に行けと言われてましたので、ああいった形になりました。

――セコンドについた佐藤館長も、距離があくと「離れるな、くっつけ!」と何度も叫んでおられました。あの距離で戦えるというのは大きな武器だと思います。

 試合中は緊張しちゃって、セコンドの声はあまり聞こえてなかったんですけどね(笑)。試合時間が1分半しかないので、無我夢中で前に出てました。

――選手として目標としているものがあれば教えてください。

 新空手の大会でK-3のベルトを巻くこと。そして、ゆくゆくはKrushのリングで活躍してみたいです。

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どんな分野でも一番ってカッコいい

――Krushといえば、元の全日本キックボクシングですね。憧れの選手でもいるのですか?

 チームドラゴンの佐々木仁子選手だとか、こないだチャンピオンになったITSUKA選手がカッコいいので憧れてます。

――カミナリモン等、北海道の大会にはエントリーしていませんが、興味がない?

 興味がないわけではありませんが、学校の行事と重なったり、新空手の大会と重なったりでなかなかエントリーできない状況です。
 私としては新空手の大会に出たほうが、勉強させていただくことが多いので新空手を優先しています。

――これまでの試合で一番印象にのこった試合をおしえてください。

 やっぱりはじめて出場した新空手です!
 この新空手では負けたものの、自分が東京でも少しは通用するんだっていう自覚に繋がりました。 なにより硬式空手じゃないキックルールというか、そういう試合を経験して、「あ、自分はこういう動き方もできるんだ」っていう自分の理解にも繋がったので印象に残っています。

――道内の選手で意識する選手はいますか?

 grabsのキューティーさんが道内の女性プロ第一号になりましたよね。どんな分野でも”一番”ってカッコいいと思うんですよ。そういった意味では、良い刺激をいただいています。

――道内の女子キックボクシング界についてどんな印象・希望をもっていますか?

 やっぱりgrabsのキューティー危機一髪さんがプロになられたことで、北海道でも波がくるのではないかと!!
 だから私もキューティーさんに続くような選手になりたいですね!そしてもっと北海道の女子の選手が増えて沢山試合できたらすごく楽しいと思います!

――試合時のウェイトは何キロくらいで?

 だいたい、50kg~55kgです。体重は油断してるとあっという間に増えてしまうタイプなので、試合前は炭水化物を制限したり工夫しています。特に甘いものには目がないので、ついつい食べ過ぎてしまいますからね(笑)。

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他の人と違ったことをやってみたかった

――格闘技を始めたのはいくつのときですか?

 小学校の5年生くらいからです。その頃には父が道場を開いていましたので、その影響ですね。

――お父さんに勧められてですか?

 いえ、自分からやりたいということでお願いしました。一足先に空手を習っていた妹に話を聞くと楽しくやってるみたいだし、もともと、人がやっていないことをやりたいって思いが強かったので。

――道場の練習とは別に、自宅で練習するメニューがあったら教えてください。

 ミット練習はよくしますね。お母さんに持ってもらうんですよ(笑)。

――もしかすると、お母さんも格闘技経験者?

 いえ、全然(笑)。でも、お母さんに自分の夢を話すことが多いんですよ。そういった話をしていたら、「よし、お母さんがミットもってやる!」みたいな流れになるんですよね(笑)。

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――頼もしいお母さんじゃないですか(笑)。佐藤選手の場合、お父さんが道場の師範なわけですが、そういった環境で良かったなって思うことがあったら教えてください。

 やはり家にいても練習をみてもらえるので、そういった面では良かったなって思います。

――逆にデメリットのような面はありますか?

 彼氏ができたらまずは道場に連れて来いって言われてるので、それはちょっと困ってます(笑)。

――なるほど(笑)。ところで、これまでに壁にぶち当たったような経験はありますか?

 いま、壁にぶち当たってるんですよ(笑)。じつは去年出場した大会の結果が全敗だったんです。
 学校の授業と両立させないといけない部分もあるし、この状態で結果が出せないようなら辞めてしまおうかってずっと悩んでいたんですよ。
 でも、昨年末の東京大会で上とのレベル差がそれほどでもないなって感じて、もう少し頑張ってみることにしたんです。いま、必死に壁を乗り越えようとしている最中ですよ。

――そういった時って、師範に相談したりするんですか?

 あまりしないんですよ。相談事もそうだし、自分が描いている夢を口に出すってこともあまりしませんでしたから。
 今回、東京の大会に出場したあとに「プロを目指してみたい」っていう夢を打ち明けたんですが、それが初めてなんですよ。

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節目としてのグランプリ

――格闘技以外に趣味があったら教えてください。

 空手に通じることかもしれませんが、早朝のランニングが大好きなんです。誰もいない暗い道を走りながら考え事をするのが好きなんです。
 他にはピアノが好きなので、ピアノを習ってみたいっていうのはありますね。

――影響を受けた本、映画などはありますか?

 私、ディズニーが好きなんですけど、ディズニーの映画で「プリンセスと魔法のキス」というのがありまして、主人公が自分の夢のために一生懸命頑張るんです!
 その映画の曲で「あと少しもうすぐよ」というフレーズがあって、そのフレーズを聞きながら私自身も「あと少し!もうすぐだ!」とモチベーション上げてるので、ある意味影響を受けた映画のひとつです!

――佐藤選手にとってのストレス解消法とは?

 最近、自宅でできるプラネタリウムを買ったんです。お風呂とか部屋とかでお気に入りの曲を聴きながら、プラネタリウムをつけてると癒さ れるし、なんか辛いこととかもどうでも良くなって安眠できます(笑)。

――空手をやっていてやりがいを感じる時はどんなときですか?

 試合で勝てたりとか、自分が少しでも良い成績を残せたとき。あとは、スパーしたときに褒められた時とかです!基本単純なので褒められるとやりがいを感じます!(笑)

――佐藤選手の所属する一信会館は様々な大会に出場し好成績を残しています。同門の梅田将成選手も東京大会で上位に食い込んでいますね。佐藤選手から見た一信会館の良さとはどんなところですか?

 リラックスできる雰囲気じゃないですか。ある意味、放任主義というか「ああしろ、こうしろ」っていう圧力がかからないので、自分のペースでモチベーションを上げることができるっていうところだと思います。

――2月23日はいよいよ全日本グランプリ予選です。直前の抱負をお聞かせください。

 自分の中では今年頑張れなかったら…っていう節目的な意味があるグランプリなので、今年を良い形ではじめるためにグランプリで良い成績を残して、今年1年を良い走り出しができるように頑張りたいと思っています!

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【佐藤瑠華プロフィール】1993年10月15日、札幌市出身。幼少の頃から父・信一氏が主催する一信会館で腕を磨き、第9回チャレンジカラテトーナメントで優勝(硬式空手部門)。その後も妹の真愛さんとともに各種大会を席捲、強豪姉妹として注目を集める。2013年より新空手の首都圏大会に活躍の場をひろげ、プロ昇格を虎視眈々と狙っている。普段は福祉専門学校で学ぶ学生であり、K-POPグループ・CNBLUEの大ファンという一面も。血液型O型の天秤座。空手道一信会館所属。

ジム・道場データ

Photo & Text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。