神秘の武術・八卦掌。女性の可能性を引き出す秘密とは? | 札幌太極拳練精会・川村賢さん、川村ゆりかさん

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 インタビュー第27回は、札幌太極拳練精会・代表の川村賢先生と、同じく副代表のゆりか先生に八卦掌の魅力について語っていただきました。女性武術家が教える、女性のための中国武術・八卦掌が、護身術として静かなブームです。

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女性の可能性を引き出す武術、八卦掌

――札幌で女性を意識した「護身術としての八卦掌教室」があると聞き、お伺いしました。今回は札幌太極拳練精会・代表の川村賢先生と、同じく副代表のゆりか先生にお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 ゆりか:よろしくお願いいたします。

――今日は教室のほうにお邪魔したわけですが、見た目はゆるやかな動きでも、結構汗をおかきになってますね。

 ゆりか:呼吸がハァハァするよう動きはないんですけどね。血流がよくなって新陳代謝が良くなりますから、それなりに汗はかきます。部分的な汗じゃなくて、全身にジワ~っとくる汗なんですよね。

――札幌太極拳練精会には、以前から八卦掌コースがありましたけれども、こちらは別個に「女性を意識した八卦掌教室」ということで、ゆりか先生が直接指導されているということですね。どういった経緯ではじめられたのですか?

 ゆりか:私の場合、太極拳、形意拳も並行して修行しているわけですが、その中でも八卦掌が自分には合っているなと以前から思っていたんです。力の出し方は太極拳、形意拳も一緒なんですが、正面からぶつからず、背面にまわるような戦闘技術とか、流れるような変幻自在の動きをもつ八卦掌が、自分の体質にはとても合っているなと。そして、それは女性全般に対して言えることだと以前から強く思っていたんです。

 :八卦掌という武術は、男性の方にももちろん向いてるんですが、女性の方には特に向いているんです。男性に比べて女性は体質的にしなやかですよね。八卦掌は相手とぶつかることを避ける武術ですから、そのためにはしなやかさが重要な意味をもってくるんです。

男性というのは、どっちかというとぶつかるのが好きじゃないですか。ガツン!と正々堂々みたいなのが。そう考えると八卦掌の技術体系にはしなやかさで勝る女性のほうが合ってるんですね。

 さきほど見ていただいた型にしても非常に変化に富んでいたでしょう?。足を踏ん張って耐えるという動きはなく、常に歩くようにゆったりと変化する動きは、細くてしなやかな女性のほうが適しているんですね。言ってみれば「女性の身体の可能性を引き出しやすい武術」なんです。

 ゆりか:どうしても中国武術、太極拳というと、「健康のために」っていうイメージが強いと思うんです。ですが、こういったご時世ですから、健康を得ながらも、さらに護身術としての身を守る術を伝えていけたらと思い、女性を特に意識した八卦掌を広めてみようと、教室をスタートさせました。

――護身術として捉えた場合、八卦掌にはどのような魅力がありますか?

 ゆりか:体格や年齢や性別に左右されないということ。八卦掌はその戦術と勁力において、体格や性別や年齢を超越できると考えています。私は自分が女性武術家を志すなかで、内家三拳のうち、特に八卦掌にその希望を見いだしています。

 体格の小さな方や、年齢を重ねた方、または運動が苦手だと思っている方など、なにかしらのハンデを持っていると感じる全ての方に可能性を感じていただけたら嬉しいですね。

――戦術面で特徴がありましたら、具体的にお聞かせください。

 ゆりか: たくさんあるんですが、集約すると以下の5点でしょうか。

  1. 正面対正面で戦った場合、女性には体力的な負担が大きい。しかし、側面や背面に入ることでその負担を減らすことができる。
  2. 目、喉、金的、脇腹、背面、膝や肘など、どんな人間でも鍛えにくい弱いところ、「急所」を攻撃することで的確なダメージを与えられる。
  3. 流れるような動きの連続性と身を翻し向きを変えることで、複数の相手や武器を持った相手にも対応できる可能性を持っている。
  4. 拳や足に限らず、頭、腕、肩、体幹部、足、背中、掌、指先足先等、全身を武器にすることで変幻自在に攻撃、防御することができる。
  5. 打撃、投げ、崩し、関節、あらゆる想定を学ぶため、動きの自由度が高まる。

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自分から動いてるほうが、気分的に楽なんです(笑)

――ルールのある競技スポーツとは、一線を画していますね。

 ゆりか:試合と違って勝たなくてもいいんです。護身術ですから身を守れればいいわけですね。そう考えると戦略自体変わってきます。ルールのある試合では、急所攻撃はすべて禁止ですから、必然的に鍛え上げた強い部分を、さらに強い打撃で打ち負けすといったケースが多くなりますよね。護身術というのはそうではなくて、当然のように目、咽喉、金的といった急所を狙い、ダメージを与えたらサッと逃げると(笑)。

 :中国武術を護身術として考えてる女性は少ないと思います。お話したように八卦掌というのは女性の特質を利用して戦える武術です。それに、呼吸が激しくアップダウンするような練習はありませんし、叩かれて痛いといった鍛錬法も格段に少ない。気軽にできて、自分の身体の可能性を伸ばしていけるんですね。

――いわれてみると、格闘技をやる女性は多いですけど、護身術として中国武術を学ぶ女性っていないですよね。

 ゆりか:みなさんご存じないんじゃないかな、こういうものがあるということ自体(笑)。MMA禅さんも体験されたから、護身術としても使えるものだって理解できたのであって、一般の方は伝統芸能的なイメージしか持っていないのかもしれませんね。あんなの戦えるわけないっていうか・・・・。

 :それから、太極拳が圧倒的に広まっていることも大きいでしょうね。確実に「健康体操」というイメージが定着しちゃってるから。護身術を求めている方々からしてみれば、「私たちがやるものじゃないよ」って思ってるかもしれないよね。

 ゆりか:でも、修練を続けていくにしたがって、強いとか弱いとかじゃなく、人間の身体がもつ可能性がわかってくるんですよ。重力との強調ができてくると、「いままでこんなこと無理だったのに」ということが自然にできてくるんです。
 ウェイトトレーニング等でガチガチに鍛えるというのは、小さな女性として現実問題、無理があったとしても、悲観する必要はまったくありません。力を抜いて重力を感じれば、鍛えた人間と同じようなことができる可能性がある身体なんだよっていうことを伝えていきたいですね。

――太極拳と八卦掌の違いを一言でいうと?

 ゆりか:太極拳は自分を中心に回りますが、八卦掌は相手を中心に回ります。自分を中心にドンと構えていると相手を受け止めないといけなくなるじゃないですか。それよりも自分から動いているほうが、私の場合、気分的に楽なんです(笑)。

 ――練習を拝見しましても、相手の背面に「すり抜ける」感じでポジショニングする動きは新鮮でした。歩いている最中にも立禅のような内部感覚があるわけですか?

 :立禅で得た感覚を歩きながら表現しているんですよ。これは理想論として聞いてほしいのですが、武術というのは結局のところ「歩く」ということなんじゃないでしょうか。宮本武蔵の五輪の書を読んでも、いろいろな足使いはダメって書いてます。跳んでもダメ、蹴ってもダメで、踵で強く踏んで歩くのが一番良いと書いてますよね。おそらく八卦掌もそういった理論からなっていると思うんです。

 ゆりか:そして、歩き続けるということの効果は多人数を相手にしたときに最も効果的なんです。多くの敵に囲まれた時に、歩き続けることができるというのは、最も効果的に身を守る術だと思いますね。立禅で得た感覚を歩きながら練り上げていますから、歩くだけでパワーが生まれています。そのまま手を出せば全身の重さが相手に伝わって、崩れたり倒れたりするということなんです。
 男性に比べて筋力が劣るとはいえ、重力と強調した動きをすれば、40キロの塊がぶつかってくるわけですからね。普通、40キロの物体にぶつかったら耐えられる人間というのはいないですよ。そのうえで相手の側面・背面に回れば、さらにリスクは減っていくといった考え方なんですね。

 :八卦掌をやってみるとわかるんですけど、急所攻撃というのは蹴るよりも手で叩くほうが命中率が上がるんです。歩きながら手で打てば、そのまま背面へすり抜けることができます。これを蹴りで攻撃してしまうと、そのまま相手の正面にとどまる形になりますよね。それだけリスクが高まるわけです。

――華麗である反面、難解にも映る八卦掌の動きですが、中国武術における正しい姿勢というものがあるとすれば、八卦掌はその範疇に収まるのでしょうか?

 :正しい姿勢といっても千差万別で流派によって違いがあるんですよ。これが中国武術の姿勢だっていうのはあるようでないんですね。真っ直ぐ立つということを考えても、頭上に紐がついてて上から引っ張られてるようにと教わる場合もあるし、首筋を下から上に伸ばしていくというようにと教わる場合もあり、言葉の解釈でイメージが全く違うものになってしまいます。ですから当会では重力を感じてもらうことに重点を置いています。重力を感じることに集中すれば、姿勢というのはイヤでも真っ直ぐにならざるを得ないのですから。重力を感じた結果として姿勢も矯正されていくということですね。

――なるほど。

 :結果論なんですよ。いきなり目指しているものそのものを求めない。強さもそうです。いきなり強さそのものを求めるんじゃなくて、重力と調和することで結果としていつのまにか強くなっている。そういった考え方なんですね。まず強さありきで追究すると辛いでしょう?でも重力と調和して、自分の身体の可能性を発見しながら、結果的に強くなっていれば素晴らしいですよね。

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求めるのは”自然と一体となる身体”

――先ほども体験させていただきましたが、お互いに並行立ちで立った状態でゆりか先生を押してみてもビクともしないんですよね。その可能性といったものに驚かされました。まさに百聞は一見にしかずです。

 :お互いに足を並行に並べた立ち方ですから、踏ん張りがききませんよね。では、どこで勝負することになるかというと、「立ち方」の勝負なんですよ。そうすると、体重や筋力がなくても立ち方のうまいほうが勝つんです。
 体験で来る方にもやってもらうんですけれども、僕が相手だと説得力ないじゃないですか。ベンチプレスで140キロ挙げていましたし、体重80キロでガッチリしてますからね。
 ですから体重のないゆりかにやらせるんです。80キロクラスの男性でもゆりかを動かすことはできませんね。しかも、たいてい一回で終わらないんです。「おかしい。こんなはずはない」と仰って、5,6回は繰り返します。結果は同じですけれども(笑)

 ゆりか:そこではじめて「これは身体の可能性を追究していける武術だな」ってわかってくれるんです。納得して入会していただけるケースが多いですよ。

――私なんて足を前後に開いた状態で押したのに、ダメでしたからね。何度も挑戦したくなる気持ちはわかります(笑)。

 :そうでしょう(笑)。ゆりかの場合、体重もないし筋力トレーニングをしているわけでもないんです。自分の身体の重さをうまく利用しているだけなんですよ。それはどうすれば身につくのっていうと、立禅をやったり八卦掌の型を繰り返したりといったことなんですね。特別なことじゃありませんし、激しい運動も必要ありません。今日見ていただいた練習のままです。そういった女性の可能性というのは、女性であるゆりかが伝えていくのが一番いいんですよ。

 ゆりか:八卦掌を学んだ場合の一番の変化は、身体の「質」が変わるってことですね。最初はこういう時はこう、こういう時はこう、みたいに区別があるんですが、一度身体の「質」が変わっちゃえば、なにをやってても重さを使えるようになるんです。日常生活でも武術の攻防でも、人に触れようが触れまいが、そういう身体の「質」になってしまう。立禅などを通じた鍛錬によって身体の「質」を根本的に変えちゃうんですね。わたしも過去と現在ではまったく別の「質」をもった身体になっています。

――「質」が変わるというのは感覚的にですか?それとも物理的な面で変化があるということですか?

 :私はカイロプラクターの資格を持っているので、解剖学や運動力学の勉強もしましたが、そういった理論で「重力と強調する身体」というのはなかなか説明できないんですよ。だから、もう説明するのはやめたんです。
 筋肉をどうするとか骨格をどうするとか、そういった話を無くしたほうが実は重力って感じやすいんですよ。実際、筋肉がどう変化したとか、組織がどう変化したかなんてわからなくても、相手に力が伝わってるのは触れたらわかるんですね。そういった身体の可能性っていうのは運動学の外にあるんじゃないかって私は思ってるんです。

 ゆりか:なんだか、神秘的な話になっちゃいますけど(笑)。でも身体はちゃんとうまいこといってるんでしょうね。ずっと苦しんでた怪我も、すっかり良くなりましたから。

――私は体験させていただいた身ですから、納得する部分があります。

 :最近思うんですけど、このまま修練を積んでいけば、重さが足の裏から大地に伝わりますよね。言い換えると大地と繋がるんですよ。ですから、僕を押したり攻撃したりする人は、大地を相手にしてるのと同じことになるんですよ。そう考えると勝てるわけないですよね。逆に僕が攻撃すればそれは大地の力がそのまま伝わるわけですから、相手にとっては相当のダメージになると思います。
 私vs相手であれば、身長・体重・年齢が影響しますが、大地vs相手であれば、そんなことは関係なくなるわけです。そこまで高めたいっていうのが私の理想ですね。もちろん、わたしはまだまだ未熟者ですし、中国武術を代表して言っているわけじゃありません。これは自分たちで研究していくなかで見えてきたことなんです。

 ゆりか:キザっぽい言い方になりますけど、私たちが求めてるものは「自然と一体となる身体」なんですよね。そのためのカギとなるのが地球上で一番強い力、「重力」ということなんです。大地の力を相手につたえる媒体となる、そこには男女の区別はありません。むしろ女性のほうが向いている武術がある。それが八卦掌なんです。到達できるかどうかわかりませんけれども、ロマンがあるじゃないですか。

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相手の反応を遅らせることも立派な技術

――先生の八卦掌教室にはプロのダンサーも学びに来ていますよね。

 ゆりか:ダンサーの方々の身体能力は非常に高いですね。具体的には相手に合わせる反応が一般の方と比べて格段に違うんです。八卦掌のような相手の背面に回りこむような組手で強くなる人っていうのは相手に合わせられる人なんですよ。側面・背面に回りこむっていうのは、相手の動きに合わせてじゃないと無理なんです。相手の動きを無視して回りこむっていうのは、異常な身体能力をもっていなければ無理だと思いますよ。

――相手に合わせる?

 ゆりか:相手に合わせた動きっていうのは、相手に防御反応を起こさせないんです。相手より早く動いてしまうと、相手はその速さに驚異を感じて防御反応を起こしてしまう。ゆっくりと相手の動くスピードに合わせれば、相手に驚異を与えないんですよ。だから、反応を遅らせて背面に回りこむことができるわけです。人間って機械じゃないので、そういった精神的・生理的な面をを操作できるところも武術の面白いところですよね。

 :一人があくびをすると、それが伝染して他の人間もあくびをするじゃないですか。武術も同じなんですよ。シンクロするんです。だからゆっくりした動きには相手もゆっくり反応するんです。相手の動きが早い場合、こちらの身体能力が劣っていれば合わせることはできません。しかし、相手の動きを遅くすることはできるわけですよ。自分のスピードは上げなくてもいいんです。これはれっきとした技術ですよ。相手が速ければ、それに合わせようとするんじゃなくて、遅くさせることを考える。そういった技術を追求したうえで、結果として身を守れればいいんじゃないかなって思ってます。

 ゆりか:誰々が最強っていう発想がもともとありませんから、勝たなくていいんですよ、負けなければ。身を守るとはそういうことだと思っています。そういったことを八卦掌を通じて伝えていけたらなって思いますね。

――賢先生、先ほどベンチプレスの話が出ましたが、中国武術でもウェイトトレーニングは必要ですか?

 :いやいや、あれは趣味で(アマチュア)プロレスラーとして活躍していた頃の話です。中国武術にウェイトトレーニングは必要ありません。

――賢先生にプロレスラーとしての過去があったとは興味深いですね。

 :ハワイアン川村というリングネームでね、これが結構強かったんですよ。後に、ハワイアン川村だとコミックレスラーみたいだということで、ホルモン川村に改名したんですが。

 ゆりか:ホルモン川村もどうかと思いますけどね・・・・(笑)。

 :当時はUWFが全盛の頃でしたから、僕もファイトスタイルに空手の蹴りなんかを取り入れてね。いまでも映像が残ってますけど、よく怪我もせずにやっていたなと思いますね。かなり激しいファイトで、今見てもすごくいい内容なんですよ。

――UWFですかぁ、懐かしいですね。

 :当時はベンチプレスで140キロ挙げてましたから、それなりの体格だったんですよ。ウォリアーズ・リフトができましたからね。おかげで中国武術に転向してからは脱力するのに苦労しましたが(笑)。

――ウォリアーズリフトっていえば、僕も高校生の頃にマネをした事があります(笑)。

 :その頃はテレビ出演なんかも結構ありましてね。24時間テレビでアマチュア・プロレスやってインタビュー受けるとか、雪祭りのイベントで出演されてた北野たけしさんを襲う忍者役とかね。「お命頂戴!」なんて言いながら襲うわけですよ。それからね、「ラブアタック」にも出演していますよ。

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宇宙刑事ギャバンの正体とは?

――「ラブアタック」といえば恋愛バラエティ番組のですか?

 :そうそう、「ねるとん紅鯨団」の元祖的な番組ですよね。和田アキ子とか上岡龍太郎が司会をやっていたあれです。

――プロレスラーとして出演されたと。

 :そうです。そのときはタイガーマスクの覆面を被って出演したんです。ただ、収録が雪祭り会場だったんですが、こっちはトランクス一枚の裸同然の格好でしょう?一時間もいると寒さで気が狂いそうになりましてね(笑)。
 でも、「かぐや姫」というマドンナに対して自己アピールを30秒しなくてはいけない。台本では、バック転などのアクションを織り交ぜながら「愛の歌」ということで歌を披露するという話になっていたんですが、その前に寒さで声が出ないんですから・・・(笑)。

――驚きですね。バック転のできるプロレスラーですか(笑)。

 :もともと戦隊ヒーロー物のアトラクションの仕事でヒーロー役をやっていましたから、バック転・バック宙どちらも朝飯前です。デパートの屋上とかでやるんですけど、ゴーグルファイブとかね、知ってます?

――わかります。あの時代ですと、他には「宇宙刑事ギャバン」とか。

 :うんうん、ギャバンね。僕もあの中に入ってたっけ。

――えっ?先生がギャバンのなかに入ってたんですか?

 :そう。僕が入ってたの、ギャバンの中に。あの仕事はね、アクションがうまい人間がヒーロー役なんですよ。アクションが下手な人は戦闘員の役なんです(笑)。

 ゆりか:うふふ。変な方向に話が逸れちゃいましたね(笑)。

――賢先生、この話は記事にしちゃってよろしいのでしょうか?

 :僕は構いませんよ(笑)。プロレスは本当に大好きでしたね。大学時代はプロレス研究会に所属していましたし、新日本プロレスの興行なんてよく観にいきました。ダイナマイト・キッドが大好きで、ファイトスタイルも彼を真似ていたくらいですから。

 ゆりか:あんなにカッコ良くやってましたっけ?

 :やっていたじゃないか。ボディスラムも「バンッ」と高速でね。高速ボディスラムだよ。

 ゆりか:あぁ、そういうイメージでやっていたのね(笑)。

 :そうだよ(笑)。ブレーンバスターも高速なの。高速ブレーンバスターなんだから。

――締めくくりが賢先生の意外な過去というのも面白いのですが、やはり、最後はゆりか先生に締めくくっていただきましょう(笑)。

 ゆりか:はい(笑)。力を抜いて、重力を感じれば、強い・弱いといったことを超越した、身体の可能性に触れることができます。私たちの身体には、鍛えた人と同じくらいのパワーを生み出す可能性が眠っているんですね。
 もちろん、他の格闘技も本当に素晴らしいし、ウェイトトレーニングも素晴らしい。ただ、そういった鍛え方ができなかったり、苦手だと感じている方には、「重力との協調」という選択肢があることを知ってほしい。たくさんの方に八卦掌の魅力に触れていただきたいですね。

――本日は貴重なお話、ありがとうございました。

 ゆりか:ありがとうございました。

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【川村賢:プロフィール】1959年生まれ。札幌太極拳練精会代表。1990年より東京にて形意拳・八卦掌を中心とした内家拳を学ぶ。2012年より札幌太極拳練精会を発足し、札幌市内各所にて指導をスタート。カイロプラクターとしても活躍し、身体構造に精通。正しい身体操作に重点をおく指導は理論的でわかりやすい。合気道・空手・キックボクシングにも造詣が深く、テレビ出演等もマルチにこなす異色の武術家。

【川村ゆりか:プロフィール】1980年生まれ。旧姓・藤原。札幌太極拳練精会副代表。クラシックバレエ、空手を経て中国武術の世界へ。活躍は道内にとどまらず、全国大会での受賞歴は多数。その優雅さを極める演舞は、観るものを魅了してやまない。2010年より、師・川村賢老師より八卦掌を学び、その魅力に開眼。現在は自身が直接指導する八卦掌教室を開講し、後進の指導に邁進している。

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Photo & Text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。愛読書はさいとうたかおの「鬼平犯科帳」。
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