BOUT-25:北海道vs本州~道内勢全勝も課題残す

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ノースエリア格闘技イベント BOUT-25
2016年11月20日(日)札幌市・コンカリーニョ

北海道vs本州というテーマで行われた今回のBOUTは、ノックアウト1試合を含む4勝0敗で道内勢が全勝した。

しかし、「KO指令」が出ていたメインの山川賢誠(札幌道場)は倒しきれず、セミのAKINORI(蹴空ジム)もダウンを取ったものの、そのあとが続かなかった。課題が残った大会といえるだろう。

一方、明るい話題としては山田忠洋(WSR札幌)が嬉しい嬉しいプロ初勝利。8月の新人王トーナメントで敗れた畑中健太(蹴空ジム)は、名門・正道会館からの刺客をKO撃破して復活の狼煙をあげた。

その他、GRABSからデビューした重量級ホープ・白岩昭人と、緊急参戦した旭川MMAの重鎮・竹内幸司の重量級対決など、見ごたえ十分だった今大会をダイジェストで振り返る。

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▼第1試合
RISE公式戦76kg契約3分3ラウンド
○白岩昭人(grabs)
×竹内幸司(HLC)
勝者:白岩 KO 3R2′55

白岩と対戦予定だった真王DATE(Team Date)が怪我の為欠場となり、急遽、竹内の出場が決定。日本拳法のベースを持つ竹内だけに重量級のド突きあいが期待されたが、その期待に両選手が見事に応えた。

1Rから意表をついたバックブローでダウンを奪った竹内。だが、つづく2Rでは白岩が狙いすました右ストレートでダウンを奪い返す。ダウンの応酬に沸く場内。

2R中盤、白岩の1Rからコツコツ当て続けた右ローに竹内の顔が曇りはじめる。この辺りから失速した竹内は、正面から打ち合わず奇襲の一発に賭ける。

3R、白岩が竹内の弱気ムードを見逃さず一気に攻勢。ロープに詰めて2度目のダウンを奪う。終盤に右ローを喰らいバランスを崩すように尻餅をつく竹内。すぐに起き上がらない竹内を見て、レフェリーはストップを宣告した。

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第2試合
▼RISE公式戦フェザー級3分3ラウンド
○畑中健太(蹴空ジム)
×泰良拓也(正道会館)
勝者:畑中 KO 2R 0′52

8月のルーキーズカップではまさかの敗北を喫した畑中。再起戦の相手は、ジャパンカップ王者の川手裕貴をノックアウトで下している強豪・泰良拓也だ。

入場時から気合のはいった表情の泰良。1R、開始直後に見せた稲妻のようなジャブで「畑中勝利に黄信号」を印象付けた。が、不用意にだした右ストレートに畑中の必殺左フックを合わされてしまい、あっけなくダウンを喫する。

気持ちの切り替えの早さを見せる泰良。キレのあるフックとハイキックで、”ヒヤリ”とする場面を演出し、劣勢イメージを払拭する。

しかし2R、「打ち合わない」という作戦だったはずが、打ち合ってしまう泰良。気性の激しさが裏目に出た。再びフックを合わされ、しばらく立ち上がれないほどの撃沈をした。

畑中の真価は左フックの威力に隠れてしまい、いまひとつハッキリしない。左フックなしでどこまでやれるのか、そこが見たい。

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▼第3試合
RISE公式戦52.5kg契約3分3ラウンド
○山田忠洋(WSR札幌)
×田中仁(湘南格闘クラブ)
勝者:山田 判定2-1

正直、BOUT-22で山田が1R撃沈した試合を見たとき、これで消える選手だと思った。この場を借りてお詫びしたい。

あの敗北の後、山田は休まずBOUTに参戦しつづけ、白星がつかないまでも堂々とした打撃戦を展開。関係者からの評価を上げながら今回のプロ初勝利に繋げた。

もともと左の蹴りはよく出る山田だが、今回は右の蹴りもよく出た。セコンドのタイ人トレーナー・パッカシーが「アシ、アシ!」と叫ぶたび、右ローの快音が響く。

放った蹴りの本数は、参加選手中1番。なんとかパンチをヒットさせたい田中の動きをしっかりと封じた。特に蹴った後、その蹴り脚を着地させずにそのまま前蹴りに繋げる動きは玄人ファンを唸らせる動きであった。

判定が2-1で分かれたところも、感動に華を添えるスパイスとなり、嬉しいプロ初勝利となった。

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▼セミファイナル
RISE公式ランキング戦ライト級3分3ラウンド EXR1R
×SEIDO(RISEライト級10位・TEAM ORCA)
○AKINORI(RISEライト級11位・蹴空ジム)
勝者:AKINORI 判定3-0

ボディブローとローキックの悶絶コースはAKINORIの十八番だが、今回はボディへのヒザ、アウトローキックも冴えた。そんなAKINORIを相手に1Rから精彩を欠いたSEIDOは、セコンドの指示にまったく対応できない。

「なにやってんだよ。わかってんのか?」

1R終了時、自軍に引き上げてきたSEIDOに、セコンドが浴びせた言葉である。

2Rに入ってもAINORIのボディ地獄が続く。終了のゴングが鳴るまで続いたのだから、SEIDOにしてみれば顔面パンチでスパッと殺ってくれたほうが有難かったかもしれない。

3R、カメのように下を向いたSEIDOのアゴにヒザを突き刺しダウンを奪ったAKINORI。上位ランカーから文句なしの判定勝ちをもぎ取った。

倒しきってほしかったのが正直なところだが、デビュー当時のギラギラしたAKINORIが帰ってきたことがなにより嬉しい。

入場時からラウンド間のインターバルに至るまで、殺気だった目でSEIDOを睨みつけ、気迫の前進を見せたAKINORI。今後のビッグイベントに是非とも絡んでほしい。

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▼メインイベント
RISE公式戦バンタム級3分3ラウンドEXR1ラウンド
○山川賢誠(RISEバンタム級8位・札幌道場)
×鈴木雄大(STURGIS新宿ジム)
勝者:山川 判定3-0

パンチャーの鈴木に対し、1Rから新兵器・左ミドルを連発する山川。対戦経験のある両者だが、過去のデータにはない左ミドルに動揺の色を隠せない鈴木。

2R、パンチで勝負したい鈴木が焦って前に出てくるところに、必殺の闘牛士フックを見舞う山川。鈴木の顔がみるみる腫れていった。山川にとっては全く危なげのない展開。

3R、韓国ファイターなみの粘りを見せる鈴木に、コツコツとパンチをヒットさせる山川。中盤、バッティングによるアクシデントはあったが、山川の完封勝ちといっていい内容で終了のゴングを聞いた。

わがままを言えば、もう少し”勝負”する場面を見たかった。なぜなら今回、山川に課せられたテーマは”格下の相手をキッチリと倒しきる事”だったからだ。

ただの判定勝ちは許されない。ダウンを取っての判定勝ちでもダメ。ノックアウト以外は評価されない。次代を担うホープだけに課せられるプレッシャーはわかる。

対戦相手が恐いというより、”負ける”ことが恐くなってくる時期。選手も消極ファイトに流されやすい。だが、”捨てる”ことでしか救われない。覚悟の一歩を踏み出してほしい。

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写真提供:BOUT実行委員会
photo & text:山田タカユキ

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山田 タカユキ

山田 タカユキ

1971年生まれ。おもに格闘技イベント「BOUT」に関するレビュー記事や、出場選手へのインタビュー記事を担当。競技経験は空手・キックボクシング、ブラジリアン柔術。愛読書はさいとうたかおの「鬼平犯科帳」。
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